トラック隊列走行の公道実証を2020年2月まで実施、140kmの長距離区間で:自動運転技術
国土交通省は2019年6月7日、同年6月25日〜2020年2月28日の長期間で、高速道路におけるトラック隊列走行の公道実証を実施すると発表した。トンネルや夜間の走行などさまざまな環境下で技術検証を行い、信頼性向上を図る。
国土交通省は2019年6月7日、同年6月25日〜2020年2月28日の長期間で、高速道路におけるトラック隊列走行の公道実証を実施すると発表した。トンネルや夜間の走行などさまざまな環境下で技術検証を行い、信頼性向上を図る。
2019年度の公道実証は、新東名高速道路の浜松いなさインターチェンジと長泉沼津インターチェンジの間、約140kmの区間で行う。全ての車両にテストコースで経験を積んだドライバーが乗車した状態で、後続車無人システムと後続車有人システムの両方の隊列を走行させる。これらの実証実験を通じて、後続車無人システムの実現に向けて必要な機能が設計通り作動するか確認する。また、信頼性向上と長期の走行データ蓄積にも取り組む他、周囲の車両から隊列走行がどのように認識されるか、周辺車両が追い越す際にトラックの隊列がどのような影響を及ぼすかも確認する。
後続車無人システムは、ドライバーが手動運転を行う先頭車両に、車車間通信によって1台または複数台の無人運転トラックを短い車間距離で連結して走らせる。公道実証での車間距離は10mまたは20mで、隊列は単一の商用車メーカーのトラック最大3台とする。後続車有人システムは、手動運転で走行する先頭車両の後方に、協調型車間距離維持支援システムや車線維持システムを搭載した手動運転トラックが1台もしくは複数台が連なるというものだ。公道実証での車間距離は35mとし、国内商用車メーカー4社から1台ずつ合計4台の隊列とする。どちらのシステムも、時速70〜80kmで走行する。
後続車無人システムには、多重化した車車間通信、車間距離や後側方、白線、先行車両を認識するためのセンサーを使用する。先頭車両の車線変更を支援するための電子ミラーも採用する。電子ミラーは中間の車両に搭載し、映像を先頭車両に伝送する。車車間通信は、ITS(高度道路交通システム)向けに使用可能な760MHz帯と4G LTE、可視光車車通信を組み合わせ、途切れないようにする。車間距離の検知にはミリ波レーダーとLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)、cmレベルの測位精度を持つRTK(リアルタイムキネマティック)-GPSを併用することで、短い車間距離を高精度に制御する。
後続の無人車両が先行車両をトラッキングする機能にも、LiDARとRTK-GPSを使用する。RTK-GPSを用いて先行車両の走行軌跡の算出と横偏差量の検出を行い、先行車両に追従させる。また、LiDARは先行車両との横偏差を検出し、横偏差と傾き角度から算出した目標位置を通過するように後続車両は操舵(そうだ)を制御する。
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