ボッシュがメガネ不要のパッシブ方式3Dディスプレイを開発、車載向け:車載情報機器
Robert Bosch(ボッシュ)は2019年8月12日、視線検知や3Dメガネが不要な車載3Dディスプレイを開発したと発表した。運転に必要な情報を3Dで強調して示すことでHMI(ヒューマンマシンインタフェース)の利便性を高める。
Robert Bosch(ボッシュ)は2019年8月12日、視線検知や3Dメガネが不要な車載3Dディスプレイを開発したと発表した。運転に必要な情報を3Dで強調して示すことでHMI(ヒューマンマシンインタフェース)の利便性を高める。
発表した車載3Dディスプレイはパッシブ方式を採用している。運転中のドライバーへの注意喚起や、リアビューモニターで障害物や壁までの距離を認識しやすくするための立体的な表示などで3D表示を活用する。また、ビルの間を通行する際に、マップ表示に空間深度を持たせて次にどの建物の前を通るか分かりやすく示す。
車載ディスプレイに求められる安全基準も満たす。温度変化や振動、−40〜+120℃の範囲での動作をクルマの耐用年数にわたって満たす。また、ディスプレイの障害が発生したときに、ドライバーが最低限の重要な情報を確認できるようにする。
ボッシュは、ディスプレイに単に情報を表示するだけでは十分とはいえなくなっていると指摘する。そのため、小型の平面ディスプレイから大型の曲面ディスプレイまでさまざまなタイプをそろえ、音声入力やタッチ操作を組み合わせることで、さまざまなインフォテインメントシステムを開発する。また、今後製品化される自動運転車では、車両とドライバーの相互作用を支えるHMIの重要性が高まるとしている。
ディスプレイの大型化や多目的化、知能化に対応する処理性能を、1台のコックピットコンピュータで実現する技術も開発している。現在は15のバックエンドプロセッシングユニットがディスプレイとオペレーティングシステムを制御する。コントロールユニットの数を減らすことで、車両の軽量化と開発期間短縮を両立するだけでなく、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)でインフォテインメントシステムを最新の状態に保てるようにする。
関連記事
- デンソーとJOLEDが車載有機ELディスプレイを共同開発、革新的室内空間を実現へ
印刷方式有機ELディスプレイを手掛けるJOLEDは、ドイツ・フランクフルトで開催される「フランクフルトモーターショー2019(IAA 2019)」のデンソーブースで、JOLED製の有機ELディスプレイを展示すると発表した。 - 完全冗長EPS、次世代カメラやミリ波が2019年から量産、ボッシュの自動運転戦略
ボッシュは2019年6月25日、東京都内で年次記者会見を開き、2018年の業績と2019年以降に向けた取り組みについて発表した。 - AR表示がずれない世界初の車載ヘッドアップディスプレイ、コニカミノルタが開発
コニカミノルタは「世界初」(同社)の車載用「3D AR HUD(3次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ)」を開発した。ドライバーの視点を動かしても、周辺の車両や歩行者などに重ね合わせたAR(拡張現実)表示がずれないことを特徴とする。2018〜2019年を目標に商品化を進める。 - 車両1台で2万円のコスト削減、パナソニックの仮想化活用Androidコックピット
パナソニックは、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、1つのSoC(System on Chip)でメーターやセンターコンソールのディスプレイ、サラウンドビュー、リアシート向けのエンターテインメントを動作させるコックピットドメイン制御プラットフォーム「SPYDR 2.0」を発表した。 - 完全自動運転を量産するカギは「SoCの仮想化」、Armが数週間以内に新製品
Armの日本法人アームは2018年12月6日、ユーザーイベント「Arm Tech Symposia 2018 Japan」の開催に合わせて記者説明会を開き、自動運転分野での取り組みを説明した。Armでオートモーティブソリューション&プラットフォームディレクターを務めるロバート・デイ(Robert Day)氏は、レベル4以上の自動運転車でシステムを、現実的なコストと消費電力で実装することと、安全性の向上に注力していくと述べた。 - 次世代HMIに統合制御コックピットを提案、センターディスプレイの採用にも挑む
矢崎総業は、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」において、コックピット関連の車載情報機器を一括して制御する「統合制御ユニット」を公開した。 - コンチネンタルが車載ディスプレイに有機EL採用、2018年から量産開発開始
コンチネンタルは「人とくるまのテクノロジー展2017」において、アクティブマトリクス式有機ELディスプレイパネルを採用した車載情報機器を出展した。 - 複数のHMIが協調するコックピットの実現へ、仮想化が貢献
コックピットの進化に向けて、ハイパーバイザーを用いた仮想化により複数のHMIを統合制御するデモンストレーションを各社が「CES 2018」で披露した。 - レクサス新型「ES」はサイドミラーなし、カメラとディスプレイで広い視野
トヨタ自動車は2018年9月12日、日本で同年10月下旬に発売するレクサス「ES」の新モデルに「デジタルアウターミラー」を採用すると発表した。デジタルアウターミラーは従来のサイドミラーを、カメラと車内に置いたディスプレイで置き換えるもので、量産車で採用するのは「世界初」(トヨタ自動車)だとしている。 - メーターにディスプレイが付いたら分かりやすくなって驚いた!
速度計や回転計、燃料計などさまざまな計器を1つにまとめた電装部品がコンビネーションメーターだ。単にメーターと呼称されることもあるが、急速に採用が広がっているマルチインフォメーションディスプレイによって、車両に関する情報を格段に分かりやすくドライバーに伝達できるようになっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.