ニュース
次世代HMIに統合制御コックピットを提案、センターディスプレイの採用にも挑む:人とくるまのテクノロジー展2019
矢崎総業は、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」において、コックピット関連の車載情報機器を一括して制御する「統合制御ユニット」を公開した。
矢崎総業は、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)において、コックピット関連の車載情報機器を一括して制御する「統合制御ユニット」を公開した。
展示では、次世代HMI(Human Machine Interface)をイメージした筐体に、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やグラフィックメーター、センターディスプレイを設置。従来のコックピットでは、それぞれにひも付くECUによって制御を行い、CANなどの車載ネットワークを介して連携するのが一般的だった。
今回展示した統合制御ユニットは、3つのECUの機能が1つに統合されており、CPUやメモリ、扱うデータなどを共有している。また、コネクテッドカーのための通信機能を担う車載ルーター/ゲートウェイとの間は、CANよりも高速な通信が可能な車載イーサネットで結ばれている。
3つの表示系デバイスを制御する統合制御ユニットだが、外観は一般的な密閉型のECUとなっている。カーナビゲーションシステムなどに多い空冷ファンの採用は前提にしていないようだ。
なお、矢崎総業は、今回展示した3つの表示系デバイスのうちHUDとグラフィックメーターは採用実績がある。しかし、従来であればカーナビゲーションシステムに対応するセンターディスプレイについては「今まで実績はないが、次世代HMIの開発を進める上で新たにチャレンジする分野になる」(矢崎総業の説明員)という。
関連記事
- 車載イーサネットが本格導入へ、伝送速度はCANの100倍以上
自動車の電子化が進み、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の開発が加速する中で、車載ネットワークの高速化も進みつつある。「人とくるまのテクノロジー展2018」では、現行のCANと比べて100倍以上の伝送速度を持つ車載イーサネット関連の展示が多数見られた。 - つながるクルマは、ECUとワイヤーハーネスが少なくなる?
Robert Boschは、自動車で無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)が可能になる「コネクテッドゲートウェイ」を2019年に製品化する。2023年以降には、コネクテッドゲートウェイにドメインコントローラーとしての機能も内蔵した「ビークルコンピュータ」を投入。演算処理能力はノートPCとそん色ない4万〜50万DMIPSを想定している。 - 車載ネットワークの伝送速度は光通信で10Gbpsへ、高速化とEMCを両立
TE Connectivityの日本法人であるタイコ エレクトロニクス ジャパンは2018年5月22日、アダマンド並木精密宝石と共同で、伝送速度10Gbpsの車載ネットワークを実現できるデータリンクシステムを開発すると発表した。現行の車載ネットワークは最高伝送速度が1Gbpsの仕様が策定されているが「10Gbpsは世界初の取り組みになる」(両社)という。 - デンソーとBlackBerryとIntelが世界初の「統合HMIプラットフォーム」を開発
デンソーとBlackBerryは、カーナビゲーションシステムやメーター表示などを行うデジタルクラスタ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)といったHMI製品を統合的に管理できる「統合HMIプラットフォーム」を共同開発した。Intelも開発に協力している。2019年以降、車両に搭載される予定。 - 制御系ECUの統合に向けた軽量仮想化ソリューション、オーバスが披露
デンソー子会社のオーバスは、「オートモーティブ ワールド2019」において、軽量の仮想化ソリューション「AUBIST Hypervisor Lite」を参考展示した。2019年度内に評価版の提供を始める予定だ。 - 「プリウス」の11倍サイズのヘッドアップディスプレイ、「これが最適バランス」
矢崎総業は、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、開発中のヘッドアップディスプレイ(HUD)を展示した。表示面積は、同社がサプライヤを務める3代目「プリウス」のHUDの11倍となり、「表示面積、表示ユニットの大きさ、コストなどを含めて、現実解として提案できる最適バランスに仕上がった」という。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.