制御系ECUの統合に向けた軽量仮想化ソリューション、オーバスが披露:オートモーティブ ワールド2019
デンソー子会社のオーバスは、「オートモーティブ ワールド2019」において、軽量の仮想化ソリューション「AUBIST Hypervisor Lite」を参考展示した。2019年度内に評価版の提供を始める予定だ。
デンソー子会社のオーバスは、「オートモーティブ ワールド2019」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、軽量の仮想化ソリューション「AUBIST Hypervisor Lite」を参考展示した。2019年度内に評価版の提供を始める予定だ。
自動車に搭載されているECU(電子制御ユニット)の数は高級車で100個を超えることもあるといわれているが、大手自動車メーカーは今後これらを統合していく方針を示している。AUBIST Hypervisor Liteは、複数の制御系ECUを、マルチコアマイコンを搭載する1個のECUに統合する際に用いる仮想化ソリューションだ。
AUTOSAR CP(Classic Platform)に準拠したECUであれば、BSW(基盤ソフトウェア)の変更を最低限に抑えられることが特徴。車載マルチコアマイコンに搭載されているメモリ保護/セキュア機能を利用して空間分離を実現しており、統合前のECU間の独立性を担保することができる。ECU間の通信や共有デバイスについての仮想化機構も提供する。
AUBIST Hypervisor Liteの仮想化層は、同社のAUTOSARソリューション「AUBIST」のOSのベースにもなっている、イーソルのメニーコア対応リアルタイムOS「eMCOS」の分散型マイクロカーネルアーキテクチャを活用することで実現した。
展示デモでは、AUBIST Hypervisor Liteを使ってルネサス エレクトロニクスの「RH850/F1H」上に機能統合した2つの制御系ECUが出力する通信データを表示してみせた。一方のECUはCAN通信を、もう一方のECUはイーサネット通信を行っており、RH850/F1Hを搭載する評価ボードからはそれらの通信データが重畳して出力されている。
なおオーバスでは、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムに用いるインテリジェントECU向けの次世代規格であるAUTOSAR AP(Adaptive Platform)向けとなる、ホストゲストタイプの仮想化ソリューションも開発中だという。
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