小型IoTモジュールに搭載可能な64ピン小型マイコンを発売:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RX651」グループに、新しく64ピンの小型パッケージ品を追加した。家庭や産業用IoT製品において高まる小型化のニーズに対応する。
ルネサス エレクトロニクスは2019年7月30日、32ビットマイコン「RX651」グループに、新しく64ピンの小型パッケージ品を追加した。現在、量産出荷中で、1万個一括購入時の参考単価は4.58ドル(約483円、税別)だ。
新製品は、4.5mm角のBGAパッケージまたは10mm角のQFPパッケージで提供する。最大2MBのフラッシュメモリと、最大640KBのSRAMを内蔵したことで、通信用モジュールに搭載するソフトウェアの格納に余裕が生まれる。40nmプロセス、RXv2コアを採用し、CoreMark値は120MHzで520を達成。電力性能にも優れており、CoreMark/mA値で35を示す。
また、内蔵のトラステッドセキュアIPで暗号化鍵を保護し、AES、3DES、SHA、TRNGなど暗号をハードウェアアクセラレータ処理することで、情報を安全に管理する。さらに、バックグラウンドオペレーションとSWAP機能をサポートするデュアルバンクフラッシュに対応。これらの強固なセキュリティ機能により、IoT(モノのインターネット)機器をサイバー攻撃から守る。
USB、CAN、SDホストおよびスレーブインタフェース、クアッドSPIなどさまざまな通信用インタフェースに対応するため、小型家電から産業オートメーションまで使用できる。
既存の「RX65N」のターゲットボードとスターターキットが流用可能で、統合開発環境「e2 studio」と組み合わせて使うと、開発の着手が容易になる。
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