広がる車載Android、「Android Auto」に加え「Android Automotive OS」も:車載ソフトウェア(2/2 ページ)
グーグルが、2019年5月7日に開幕する開発者会議「Google I/O 2019」に向けて、車載情報機器関連の新たな技術を2つ発表した。1つはAndroidを車載情報機器向けに展開する「Android Automotive OS」向け、もう1つはAndroidスマートフォンと車載情報機器の連携システム「Android Auto」向けとなる。
既に500モデル以上の車両が「Android Auto」に対応
もう1つの新技術は、先述したAndroid Autoの最新版になる。2014年3月にAndroid Autoが発表されてから約5年になるが、50以上の自動車ブランドが発売する500モデル以上の車両でAndroid Autoが利用できるようになっている。
グーグルは2019年5月6日、同社の公式ブログにおいて、2019年夏以降に発売されるAndroid Auto互換の車両や車載情報機器で最新版が利用可能になると発表した。新機能として「Get on the road faster」「Stay on top of your apps」「Do more with less taps」「Easily manage communications」「A color palette that's easy on the eyes」「A screen fit for more cars」の6つを挙げている。
「Get on the road faster」では、車両の発進と同時にユーザーの選んだカーナビゲーションアプリが起動する。目的地設定は、自動で提案される場所をタッチして選ぶか、それ以外であれば「Hey Google」から始まる音声認識で入力すればよい。
「Stay on top of your apps」と「Do more with less taps」は、新たなナビゲーションバーの機能となる。目的地への案内を行っているカーナビゲーションアプリを車載情報機器の画面に表示している際にも、メディアアプリの操作や掛かってきた電話への対応が行えるようになった。
「Easily manage communications」は、電話やメッセージ、アラートの履歴を確認するための通知センターの新機能だ。停車中に確認するだけでなく、読み上げ機能や、音声認識機能などを使って、使いやすくかつ安全に対応できるという。
「A color palette that's easy on the eyes」と「A screen fit for more cars」では、車載情報機器におけるAndroid Autoの画面表示を改善した。車室内に適したダークテーマや読みやすいフォントの採用で視認性を高め、最新の車両で採用が広がっているワイドスクリーンの車載情報機器でより多くの情報を表示できるようにした。
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