車載情報機器向けAlexaのSDKがGitHubで公開、AndroidとQNXに対応:車載ソフトウェア
アマゾンは2018年8月9日、音声AI(人工知能)アシスタント「Alexa」を車載情報機器に組み込むためのソフトウェア開発キット(SDK)「Alexa Auto SDK」を公開したと発表した。無償で利用できるソフトウェア開発プラットフォームのGitHubからダウンロードすることができる。
アマゾン(Amazon.com)は2018年8月9日(現地時間)、音声AI(人工知能)アシスタント「Alexa」を車載情報機器に組み込むためのソフトウェア開発キット(SDK)「Alexa Auto SDK」を公開したと発表した。無償で利用できるソフトウェア開発プラットフォームのGitHubからダウンロードできる。
Alexa Auto SDKには、車載情報機器(クライアント)側でAlexaを用いるために必要なソフトウェアが含まれている。Alexaサービスと連携するランタイムエンジン「Alexa Auto Engine」をはじめ、GPSや通信機能をつかさどる「Core Module」、車載情報機器側でAlexaへの音声入力/出力を行う「Alexa Module」、カーナビゲーション機能と連携する「Navigation Module」、電話の制御を行う「Phone Control Module」などから構成されている。
アマゾンは、Alexa Auto SDKにより、既に家庭向けに提供されている数万のAlexaのスキル(Skill)を自動車の中でも活用できるようになるとしている。
なおGitHub上で公開されているAlexa Auto SDKは、ビルド環境としてLinuxとUNIX、macOSを推奨している。組み込みターゲットとしては、AndroidでArm32ビット/64ビットプロセッサとx86プロセッサ、QNXでArm64ビットプロセッサをサポート。ターゲットがAndroidであれば、プリビルドのライブラリも用意されているという。サンプルアプリケーションもAndroidベースとなっており、早期に試す場合にはAndroidで利用するのがよさそうだ。
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