「ナイトライダー」が現実に、音声アシスタントの進化が止まらない:IoTと製造業の深イイ関係(3)(1/3 ページ)
脚光を浴びるIoT(モノのインターネット)だが、製造業にとってIoT活用の方向性が見いだしきれたとはいえない状況だ。本連載では、世界の先進的な事例などから「IoTと製造業の深イイ関係」を模索していく。第3回は、IoTと人工知能(AI)との連携によって進化が加速している音声アシスタント機能の動向に迫る。
ハンバーグをこねている手を洗うことなく、冷蔵庫に話しかけることでレシピを検索したり、体調が悪い時や寝たきり状態であっても、エアコンに今の状況を話しかければ適温にしてくれたりする……。
このように、特定の操作を必要とせず自然な「会話」でさまざまな機器を動かすという社会は恐らくすぐそこまで来ている。
Google(グーグル)は2016年内にも、音声アシスタント機能付きデバイス「Google Home」を129米ドルで販売すると発表した。Google Homeは、スピーカーとマイクが内蔵された円筒形のデバイスで、このデバイスに向かって話しかけると、その回答が音声で返ってくるというものだ。
例えば、知りたいことを質問するとその回答が返ってきたり、あるいは「音楽をかけて」と話しかけると音楽を再生したりすることもできる。また、家電との連携が可能であり、例えば声で電気をつけたり消したりすることもできるようになる。今後は、グーグルのサーモスタット「Nest」やSamsung Electronics(サムスン)のスマートホーム製品群「SmartThings」などのコントロールも音声で行えるようになる見込みだ。
グーグルは「Google Assistant」という、同社の機械学習や自然言語処理機能を含む人工知能(AI)によるパーソナルアシスタント機能を用いることでこれらを実現している。Google Assistantは音声対話により、ユーザーに代わってさまざまなアクションを行ったり、場面に応じて必要な情報を提供することが可能となる。
既に、Apple(アップル)の「Siri」やAndroid端末の「Google Now」など類似の機能はスマートフォンにも搭載されているが、同様の機能がスマートフォン以外のデバイスでも利用可能となったわけだ。
海外の動向をご存じの読者ならば、Google HomeはAmazon(アマゾン)が先に米国で展開している「Amazon Echo」対抗の製品であるとすぐに思いつくだろう。Amazon Echoも音声アシスタント機能付きスピーカーで、機能はGoogle Homeとほぼ同じだ。
Amazon Echoの機能を実現しているのは「Amazon Alexa」と呼ばれるクラウド型AIだ。2015年6月にそのAPIを第三者に公開したことにより、さまざまな開発者やベンチャー企業を呼び込むことに成功し、サムスンやFord Motor(フォード)などの大手企業も、アマゾンの音声アシスタントの技術を活用したサービス開発に乗り出している。
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