三菱電機の持続的成長の要は研究開発にあり、2020年度以降も投資を継続:製造マネジメントニュース
三菱電機が報道陣向けに研究開発成果披露会を開催。7件の新規発表を含めて20件の研究開発成果を公開した。20件のうち6件はAI技術「Maisart」関連であり、既に実用化段階に入っているという。
三菱電機は2019年2月13日、東京都内で報道陣向けに研究開発成果披露会を開催。6件の新規発表を含めて22件の研究開発成果を公開した。
同社 社長の杉山武史氏は「当社は、売上高5兆円、営業利益率8%という2020年度の事業目標に向けて投資を進めているが、2020年度以降の持続的な成長についても重視している。研究開発はその要だ。政府が掲げるSociety 5.0や、国連が目指すSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の達成に向けてバランス良く投資を継続していきたい」と語る。
近年の三菱電機の研究開発方針は、開発時期を短期、中期、長期に分けた現在の事業の徹底強化と変革に向けた開発の推進が中核になっている。そこに、技術シナジー・事業シナジーを通じたさらなる価値創出を図り、未来技術の開発で持続的成長を実現しつつ、これらを支える共通基盤技術を深化させていく構えになっている。
2018年度の研究開発費は2250億円を予定しており、売上高比率は直近10年間で最も高い5.0%に達した。同社 常務執行役 開発本部長の藤田正弘氏は「2020年度以降も従来の研究開発方針を踏まえながら、持続的成長に向けてしっかり投資をしていきたい」と説明する。
また、同社が開発に注力している、「コンパクト」と「機器の知見の活用」を特徴とするAI(人工知能)技術「Maisart」は、実用化件数が伸びているという。AI実用化件数は、2018年度までの累積で10数件、2019年度までの累積では20数件になる見込みだ。「既に実績となっている真空ポンプメーカーとの故障予兆検知の事例をはじめ、今後は顧客との共創が増えていくだろう」(藤田氏)という。また、今回の研究開発成果披露会でも、22件中8件がMaisart関連になっている。
関連記事
- 三菱電機のAI技術「Maisart」は「大手クラウドベンダーとは一味違う」
三菱電機は、情報技術総合研究所とデザイン研究所の報道陣向け視察会において、AI(人工知能)技術「Maisart」について説明した。 - 実用化段階に入るAI技術「Maisart」、三菱電機が研究開発成果を披露
三菱電機が報道陣向けに研究開発成果披露会を開催。7件の新規発表を含めて20件の研究開発成果を公開した。20件のうち6件はAI技術「Maisart」関連であり、既に実用化段階に入っているという。 - 三菱電機がAIをブランド化、エッジの強みを強調
三菱電機は、同社が展開する人工知能(AI)技術ブランドを「Maisart(マイサート)」として展開する方針を示した。「コンパクトな人工知能」など現実的なAI活用を強調する。 - インダストリー4.0の10年先を行く、三菱電機が描くIoT時代のモノづくり
「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」の基調講演で、三菱電機 執行役員 FAシステム事業本部 副事業本部長の高橋俊哉氏が登壇。製造業のスマート化を実現する取り組みを紹介した。 - 三菱電機が第4次産業革命で変えること、変えないこと
IoTがもたらす革新は、製造業にどういう影響をもたらすのだろうか。FA大手の三菱電機は、IoTによる製造現場の革新に危機感を持って立ち向かう。三菱電機 執行役員で、FAシステム事業本部 e-F@ctory戦略プロジェクトグループ プロジェクトマネージャーの山本雅之氏に話を聞いた。 - 三菱電機が自社で取り組むスマートファクトリーの現在地
「第6回 IoT/M2M展 春」の専門セミナーとして、三菱電機 名古屋製作所 オープンプラットフォーム・リードアーキテクトの楠和弘氏が登壇。三菱電機が考えるIoTを活用したモノづくりの姿を紹介した。 - 三菱電機がAIをブランド化、エッジの強みを強調
三菱電機は、同社が展開する人工知能(AI)技術ブランドを「Maisart(マイサート)」として展開する方針を示した。「コンパクトな人工知能」など現実的なAI活用を強調する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.