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躍進するLPWAN対応IoT端末、パナソニックは電池で活路を開く製造業IoT(2/2 ページ)

パナソニックは100周年を記念して行う同社初の全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日)を開催。その技術セミナーとしてパナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社エナジーデバイス事業部プロダクトマーケティング部部長の川口真一氏が「これからIoT端末に貢献できる小型、高信頼性電池の開発」をテーマに、同事業部のIoT端末市場への取り組みを紹介した。

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LPWANに必要な電池の要件とは

 LPWAネットワークを使用したIoT端末に求められる理想の電池については「通信の観点からみると確実にさまざまなデータの通信が可能であることと、電池の交換を極力減らしたいということで長寿命の電池が必要となる。これは電池に対して長期間に渡って安定した出力、電圧が維持できるということが求められている」と川口氏は指摘する。

 その上で、パナソニックがこうしたニーズに対して提案できる強みとして、「一次電池、二次電池など多彩な電池の提案が可能である点」「長年にわたる電池の開発技術と製造経験に基づいた長期信頼性」「長期データの蓄積とそれらを生かした技術サポート」の3点を挙げた。

 パナソニックでは、こうした長期間にわたって安定した出力、電圧が維持できる電池を幅広くラインアップしている。ニーズ別にみると「各種メータやセンサーなど、電池交換不要(メンテフリー)で長期間使用したい」という要望には、長期信頼性の高いマイクロ電池(リチウム一次電池)や、ソーラーパネルなどと併用可能なニッケル水素電池の2つを提案している。

 また「ネットワーク接続可能な出力を持ち、かつウェアラブルな小型機器に使用したい」というニーズには、超小型で安全なピン形リチウム電池を提案することで、今後のIoTデバイスのさまざまなアプリケーションに対応する考えだ。

マイクロ電池はなぜIoT端末向きなのか

 このうち、マイクロ電池については特にLPWAネットワーク端末向けでの提案を強化。内部抵抗が安定しており、出力低下が小さいことなどから、15年以上にわたる長期間安定した出力を確保できる点や、高いパルス放電特性を有する点、LPWAに必要な最低必要電圧を維持(50mAパルス放電時)する点、安全素子を内蔵し、かつ有毒物質を含まない電池設計などが既に評価を受けているという。

 マイクロ電池(円筒型リチウム一次電池)の採用事例としては、スマートパーキングやGPSトラッキング、テレマティクスサービス、オイルタンクメーター、ガスメータ、水道メータ、インフラ監視関連の橋梁劣化監視、水位監視、スマートマンホールの電源、セキュリティ/スマートホーム関連では、火災報知器、スマートロック、水漏れセンサーなどで実績がある。

 この他、二次電池のニッケル水素電池については、高信頼性のあるバックアップ電源としての用途提案を行っており、ホームセキュリティ機器や、非常灯・誘導灯、ソーラー街路灯、監視カメラ、海洋ブイ、サーバ、ATM、エレベーター、スマートバンキング、スマートごみ箱、農業用センサーなどに用いられているという。

 ピン形リチウム電池は小型、細型でスタイリッシュなデザインと高出力実現しており、高強度ステンレス外装缶を採用し、高い安全性、信頼性を誇っている点が評価を受けているという。また、急速充電機能で使用頻度の高い小型機器の利便性を向上させている。用途としてはワイヤレスイヤフォン、ペン型端末、メガネ型端末、リストバンド型端末、補聴器などに広がっているとする。

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