IoTでの人管理に最適、電池不要でガム状の貼れるビーコン:ET2018
富士通は、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」において、バッテリー不要で柔らかいビーコン「PulsarGum」を出展し、IoTにおけるさまざまな用途提案を行った。
富士通は、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、バッテリー不要で柔らかいビーコン「PulsarGum(パルサーガム)」を出展し、IoT(モノのインターネット)におけるさまざまな用途提案を行った。同製品は「ET/IoT Technology Award 2018」において「IoT Technology 優秀賞」を受賞している。
太陽電池による発電でビーコンが電波を発信
「パルサーガム」は太陽電池による発電を利用し電池交換なしで位置情報やID情報を発信できる柔らかいビーコンである。外形寸法は19×72×3mmで、太陽電池による発電部とビーコン機能などを持つ回路部がある。全面をシリコーンゴムで覆っているために、屋外でも使用可能な耐久性を確保する一方で曲げることが可能だという特徴を持つ。3gという軽量性も合わせ、ヘルメットなどの曲面に貼り付けて使用することができる。防水性能もIPX7(水没)相当は持つという。
無線は2.4GHz帯でBluetooth Low Energy(BLE)を採用しているため、専用ゲートウェイの他、スマートフォンなどでも受信が可能である。通信距離は約10mとなる。動作照度は300ルクスだが、それより暗い環境でも発信頻度を下げて発信することができる。通常は1.28秒に1回の発信となる。完全に照度がない環境では発電を行えないので発信はしない。しかし、この特性を生かした使い方なども想定できるという。「例えば、宅配物や荷物などの中に設置しておけば、開けた時の光で発電し電波を発信することができる。開封ログの取得などにも活用が可能だ」(ブース担当者)としている。
価格は、1000枚ロットで1枚当たり約5000円、100枚ロットで1枚当たり約7000円だとしている。2018年5月に既に発売しているが「当初は少ないロットでの受注が多かったが、最近では用途開発なども広がり多くのロットでの受注が増えてきた。工場や倉庫などのカート管理などの用途での問い合わせが多い」(ブース担当者)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 環境発電向け技術「EnOcean」のLPWA化は何をもたらすのか
環境発電(エネルギーハーベスティング)の分野で知られる技術「EnOcean」だが、新たな規格の策定によってLPWAネットワークとしても利用可能になっている。今後の展開によっては、環境発電によるIoTをより広範囲に適用できるかもしれない。 - ルネサスの「e-AI」が切り開く組み込みAIの未来、電池レス動作も可能に
ルネサス エレクトロニクスは、安価なマイコンにもAIを組み込める技術「e-AI」を発表した。同社 執行役員常務 兼 第二ソリューション事業本部本部長の横田善和氏に、e-AI投入の狙い、製品開発に適用する次世代技術などについて聞いた。 - 普通の家に200個のセンサーがあったらどうなるか
築17年。千葉県野田市のリフォーム済み中古住宅。この普通の2階建てに、200個のセンサーがあったら生活はどう変わるか。 LIXILの考える「住生活の未来」の一部が紹介された。 - 最新センサーデバイスが変える予防安全システム
地球温暖化による気候変動や、原油の高騰に起因するガソリンの値上がりなどにより、現時点における自動車の新技術開発の方向性は、CO2削減や燃費向上につながる“エコカー”に注目が集まっている。しかし、1トン以上の重量で高速走行する自動車にとって、事故回避や事故の被害を低減するための安全システムも、エコカーと同じく重要な技術開発項目である。そして、安全システムのキーデバイスといえるのが、人間の見る、感じるための感覚器官に相当するセンサーである。 - 生産情報管理のIoT活用はどのように実践すべきか
日本型モノづくりの象徴ともいうべき「トヨタ生産方式」の利点を生かしたIoT活用について、実践編として、より具体的な「導入のポイント」や「活用する手段」を説明する本連載。第1回は、生産情報管理におけるIoT活用について解説します。 - 中小製造業のIoT活用は難しくない!? 先行する3社はなぜ実現できたのか
「AWS Summit Tokyo 2018」において、IoTやAIの活用で先進的な取り組みを進めている3社の中小製造業が登壇する講演が行われた。武州工業、旭鉄工、IBUKIが自社の取り組みを紹介するとともに、どのようにすればIoT/AI活用を進められるかについて意見を交わした。