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自動車関連部品メーカーがPLMプラットフォームを導入:製造IT導入事例
ArasのPLMプラットフォームを、自動車関連部品メーカーのミクニが採用した。同プラットフォームを既存システムと連携し、業務プロセス全体でデータ連携を自動化する。これにより工数を削減し、製品の品質改善につなげる。
Arasは2018年11月1日、同社のPLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)プラットフォームを、自動車関連部品メーカーのミクニが採用したと発表した。
ミクニがこれまで使用していたITアーキテクチャでは、製品開発や製造プロセスのシステムが分断しており、製品開発段階において重要な問題が発生しかねない状況だった。また、業務プロセスをフォルダで管理していたことから、さまざまな制約があり、3D CADを思うように管理できていなかった。
ミクニでは、ArasのPLMプラットフォームが持つ適応性、ユーザビリティーおよび定額制のメリットを評価し、採択を決定した。同プラットフォームを既存システムと接続することで、業務プロセス全体でデータ連携を自動化し、工数を削減する。さらに、こうした効率化が製品の品質改善につながることが期待される。
同プラットフォームの導入は、Aras認定パートナーのSCSKが支援する。まず第1段階として、文書、CADデータ、パーツ、BOM(部品表)管理について導入し、第2段階でこれらの機能を社内の生産、営業部門および海外拠点にも拡張する。最終的には5部門以上、1000名以上のユーザーへの展開を検討している。
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