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日立が大型産機事業を分社化、日立産機との連携を狙う:製造マネジメントニュース
日立製作所は2018年10月26日、同社の大型産業機器事業を、新たに設立する100%子会社「日立インダストリアルプロダクツ」として分社化すると発表した。分社化は、2019年4月1日に行う予定だ。
日立製作所は2018年10月26日、2019年4月1日付で同社の大型産業機器事業を、新たに設立する100%子会社「日立インダストリアルプロダクツ」として分社化すると発表した。
今回の分社化は、日立製作所で遠心圧縮機や高圧モーター、産業用ロボットなど大型の受注生産品を主として手掛けるインダストリアルプロダクツビジネスユニットを、吸収分割により新会社へ事業承継するもの。独立した事業会社とすることで、意思決定の迅速化や機動的な事業運営を行い、「グローバルでトップポジションを狙える製品を迅速に開発・提供できる体制を構築する」ことが目的となる。
また、日立グループには既に産業機器を手掛ける日立産機システムがあるが、同社は主に量産品を取り扱う。新会社と日立産機システムは、共通の事業戦略のもとで日立のプロダクト事業をグローバルに主導する。
今回の会社分割は簡易吸収分割で行うため、日立製作所の株主総会による承認を得ずに実施する。分割に伴う日立製作所の資本金増減は発生せず、連結業績への影響もない。
新会社は2018年11月に本件の準備会社として設立する。資本金は4000万円で、発行済株式総数は未定だ。
日立製作所は、IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Lumada」活用をより推し進め、ビジネスユニットやグループ会社を横断した戦略を立案する経営統括機能を強化するとしている。
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