日立は「カンパニー」から「ビジネスユニット」へ、成長のエンジンは「Lumada」:製造マネジメントニュース
日立製作所は2018年6月8日、東京都内で同社の事業方針を投資家向けに説明する「Hitachi IR Day 2018」を開催。その冒頭、各事業やビジネスユニットの説明に先駆けて、同社執行役社長 兼 CEOの東原敏昭氏が登壇し、2018年4月からの新体制や、IoTプラットフォーム「Lumada」の展開状況などについて説明した。
日立製作所は2018年6月8日、東京都内で同社の事業方針を投資家向けに説明する「Hitachi IR Day 2018」を開催。その冒頭、各事業やビジネスユニットの説明に先駆けて、同社執行役社長 兼 CEOの東原敏昭氏が登壇し、2018年4月からの新体制や、IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」の展開状況などについて説明した。
日立製作所は2018年3月まで事業を大きなくくりでまとめたカンパニー制を採用していたが、同年4月からより機敏な動きが可能になる小さなビジネスユニットに分割する組織改正を行った。これらは大まかに、顧客と直接の接点を持つ現場ビジネスユニット、Lumadaなどを開発するプラットフォームビジネスユニット、各製品分野を担当する製品ビジネスユニットに分かれており、実際の事業展開ではビジネスユニット間での緊密な連携によって進める体制となっている。
日立製作所の新体制。カンパニー制から、現場(フロント)、プラットフォーム、製品(プロダクト)を担当する小さなビジネスに分割し、ビジネスユニット間で緊密に連携する体制となった(クリックで拡大) 出典:日立製作所
東原氏は「2016年5月に発表したLumadaは500件以上のユースケースが生まれており、名前も売れ始めてきた。顧客の課題を見える化し新たなビジネスモデルにつなげる『NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)』が確立できつつある。収益性も上がっており、今後の成長性が期待できる。このLumadaの展開を拡大するのが、電力・エネルギー、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ICT・ヘルスケアという4つの現場ビジネスユニットだ。それぞれに副社長を当てることで、明確な成長戦略を描いていく」と語る。
また顧客の拡大という観点では、2017年4月に買収を発表した空気圧縮機大手のサルエアー(Sullair)の貢献にも大きな期待がある。「売上高は400億円程度だが、6000社ものユーザーがいる」(東原氏)。
なお、Lumadaの展開拡大については、各ビジネスユニットにCLO(Chief Lumada Officer)を決めることによりLumadaの活用を進められるようにしているという。
次期中計は営業利益率10%超が目標
日立製作所の「2018中期経営計画」は2018年度が最終年度となっている。現在、2018年度の業績見通しは、売上高9兆4000億円、調整後営業利益率8.0%、当期利益4000億円などとなっている。東原氏は「これらの達成は当然として、次の中期経営計画の目標年度となる2021年度に向けての姿を見せていく年になる」と意気込む。
その上で東原氏は「デジタル社会に向けて人々のよりよい生活を実現できる社会イノベーションを進めていく。そのためにも、調整後営業利益率はやはり2桁は必要だ。コスト構造を意識したスマートトランスフォーメーションに取り組む」と述べている。
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