ニュース
JEMA「製造業2030」が進化、FBMの活用を具体化:製造業IoT(2/2 ページ)
日本電機工業会(JEMA)は、IoTによる製造業の変革に関する提言書「製造業2030」の2017年度版を公開した。本稿ではこの提言を抜粋して紹介する。
FBMの要件定義
2017年度版「製造業2030」では、あらためてFBMおよびFBMモデルの活用に必要な要素を洗い出してまとめている。
ニーズの変化に対して最適なバリューチェーンを瞬時に構成するためには、あらかじめFBM要素データベースに登録されたデータが必要で、ビジネスと製造のシステムの中で利用されるその要素は、すぐに組み合わせができるようにモジュール化が必要である。要素の組み合わせは、FBM コーディネーターにより最適化される形が理想である。ニーズの変化に応じてFBMコーディネーターが想定されるシステムの中から最適解を選び出すという姿が望ましい。
FBMのコーディネーターは、FBM要素DB、FBMツール(ソフトウェア)、FBMモデルを使い、ニーズの変化に対応して最適なバリューチェーンを迅速に構築する役割を持つことを想定する。
さらに、FBMを実現するために必要な項目をFBMの要件(20項目)としてリストアップしている。
今後はFBMコーディネーターが活躍できる環境を実現する方向に向かって施策を検討する計画だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IoTが変革する製造業の2030年、JEMAが「製造業2030」最新版を提言
JEMAはIoTによる製造業の変革に対する提言書「製造業2030」の最新版を公開した。新たに「FBMアーキテクチャ」「制御盤2030」「製造業のサービス化」の3つについて提言を行った。 - 2030年の製造業にIoTがもたらす将来像、JEMAが提言する「FBM」
IoTによるビジネス変革が広がる中、2030年の製造業にはどのような変化が生まれているのだろうか。JEMAは2016年5月に「製造業2030」を公表し、製造業の将来像について提言している。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - インダストリー4.0がいよいよ具体化、ドイツで「実践戦略」が公開
注目を集めるドイツのモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」。この取り組みを具体化する「実践戦略」が2015年4月に示された。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。 - インダストリー4.0を巡る国際標準化の動きはどうなっているのか
CPS/IoT展「CEATEC JAPAN 2016」で開催された「日独シンポジウム―インダストリー4.0/IoT協力」。同セミナーの様子を紹介する本連載だが、3回目は日独それぞれで大きな課題だとしている「国際標準化」の動向について紹介する。 - IVIが「スマート工場モデル」を公開、先行する独米に対し“日本式”を提案
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加するIndustrial Value Chain Initiative(IVI)は、日本のモノづくりの良さを織り込んだスマート工場の基本モデル「Industrial Value Chain Reference Architecture (IVRA)」を公開した。