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“シャープのダイナブック”登場か、東芝がPC事業をシャープに譲渡製造マネジメントニュース

シャープは東芝子会社でPC事業を担う東芝クライアントソリューションズを買収することを発表した。

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 シャープは2018年6月5日、東芝子会社でPC事業を担う東芝クライアントソリューションズ(TCS)を買収することを発表した。買収金額は約40億円。

 東芝では構造改革の一環として2016年4月1日にPC事業を100%子会社のTCSに移管し、事業再編を含めた可能性を模索してきた。その中で、事業継続性を考慮し今回シャープにTCS株式の80.1%を譲渡することを決定した。これによりTCSが開発、製造、販売するPCに関する東芝およびダイナブックなどのブランドをシャープが使用することが可能になる。

 今回の買収に際し、東芝側では関連する海外のPC販売会社および組織をTCS社に移管し、従来の販売体制を維持できるようにする。具体的には東芝の子会社である東芝情報機器杭州社、東芝クライアントソリューション豪州社、東芝クライアントソリューション・カナダ社をTCSに移管する他、PC事業以外の機能も持つ東芝アメリカ情報システム社、東芝システム欧州社、東芝シンガポ―ル社からはPC事業だけを切り出し、TCS傘下に設立した子会社に移管する。株式取得実行日は2018年10月1日とする。

 経営再建中の東芝では、2018年6月1日に連結子会社であった東芝メモリの譲渡が正式に完了し、当面の経営危機は去った形となるが、事業ポートフォリオの再編を進めており、今回のPC事業譲渡もその一環となる※)

※)関連記事:東芝メモリの譲渡契約を締結、売却先はアップルやSKハイニックス含む日米韓連合に

 一方のシャープも2014〜2015年に経営危機に陥り、鴻海精密工業の出資を受け入れた経緯がある。ただ、鴻海傘下での再スタートで2017年度も増収増益となるなど、復活を遂げ、新たな成長投資を進めているところだ。その中の成長エンジンの1つとして「AIoTプラットフォーム」を掲げており、新たに買収するPC事業はこのプラットフォームの一環として展開する計画だという※)

※)関連記事:「家庭用IoTでの勝ち組はまだいない」シャープがAIoTプラットフォームの外販強化

 シャープは2009年まで「メビウス」ブランドでPC事業を展開していたが不振により撤退していた。その後タブレットなどで同ブランドを復活させたこともあるが、9年ぶりのPC事業への再参入ということになる。

 なお、東芝インフラシステムズ社が取り扱う産業用PCについては今回の買収の枠組みには含まれず、従来通り東芝インフラシステムズが事業を継続するとしている。

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