2016年度の人工臓器市場に関する調査結果を発表、前年度比1.3%増:医療機器ニュース
矢野経済研究所は、メディカルバイオニクス(人工臓器)市場についての調査結果を発表した。2016年度の市場規模は6323億9600万円で、2017年度は6503億1500万円と予測する。
矢野経済研究所は2018年5月10日、メディカルバイオニクス(人工臓器)市場についての調査結果を発表した。国内メーカー、輸入製品総発売元を対象とし、2017年5月〜2018年2月にかけて調査を実施。その結果、2016年度の市場規模は前年度比1.3%増の6323億9600万円となった。
同市場のうち、胸部・心臓血管外科分野はマイナス成長となった。これには、ペースメーカー、血管系メタリックステントの償還価格下落が影響している。整形外科領域では、大腿骨頸部骨折におけるバイポーラや膝関節の伸び率が鈍化。一方で、脊椎固定システム市場の伸長やリバース型人工肩関節、変形性膝関節におけるHTOプレートシステムの採用が増加するなど、18製品が堅調に推移し、市場が拡大している。
特に人工関節は、THA(Total Hip Arthroplasty)が伸び、リバース型の症例が増加している人工肩関節では2桁増となった。内固定材は、変形性膝関節でのHTOプレートシステムの採用増や、橈骨(とうこつ)遠位端骨折用プレートシステムの症例数が安定するなど、市場が拡大した。また、多椎間症例が増加した脊椎固定システム市場は高成長が続いている。
人工腎臓関連は、患者数の伸び率は低下傾向にあったが、HDFの採用患者数が増加した。また、高単価製品の採用症例が増加した止血・接着材(剤)は市場が拡大している。
2017年度は、胸部・心臓血管外科分野で高成長品目は見られない。しかし、症例に比例した市場を形成すること、整形分野の脊椎固定システムの伸長が続くこと、さらに透析分野でHDF採用患者数が増加しているため、前年度比2.8%増の6503億1500万円を予測している。
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