中国配車サービス大手が自動車メーカー12社と協業、ルノー日産三菱も参加:モビリティサービス
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンスは、電気自動車(EV)を使った中国でのカーシェアリングについて、滴滴出行(ディディチューシン)と協業する。
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンスは2018年2月7日、電気自動車(EV)を使った中国でのカーシェアリングについて、滴滴出行(ディディチューシン)と協業すると発表した。同アライアンスは、今回の協業を2022年に向けた中期経営計画の達成につなげる考えだ。
滴滴出行はUber(ウーバー)の中国事業も買収した中国の配車サービス大手。2017年に中国で7億4300万回の乗車を提供した。配車アプリの開発の他、配車サービスで働くドライバー向けの車両貸与も行っている。
同日付で滴滴出行はルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンスを含む12社との協業を発表した。12社が滴滴出行のカーシェアリングアプリのプラットフォームを採用する。このプラットフォームは、金融や保険などの企業との協力も含むものであるという。
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンス以外の提携企業は次の通りで、中国現地資本の大手自動車メーカーなどが名を連ねている。北京汽車の子会社であるBAIC BJEV(北京新能源汽車)、BYD(比亜迪)、Chang'an Automobile Group(長安汽車)、Chery Automobile Group(奇瑞汽車)、Dongfeng Passenger Vehicle(東風汽車)、First Auto Works(第一汽車)、Geely Auto(吉利汽車)、Hawtai Motor(華泰汽車)、JAC Motors(江淮汽車)、KIA Motors(起亜自動車)、Zotye Auto(衆泰汽車)。
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンスは2022年までに、EV12車種の発売、走行距離600km、バッテリーコスト30%削減、15分の急速充電で230kmまで走行できるようにするなどの目標を掲げている。また、自動運転技術を2022年までにグローバルで合計40車種に搭載し、無人運転車両の配車サービス事業を展開する計画だ。
滴滴出行は、トヨタ自動車が開発するMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車を所有せずサービスとして利用すること)向けの専用車両「e-Palette Concept」の実用化に向けたアライアンスにも参加している。また、日本では、第一交通産業と日本でのタクシー配車サービスの導入に関して協議を進めている。
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