ルノー日産三菱が2022年に1400万台の販売目指す、600km走るEVや完全自動運転車も:製造マネジメントニュース
Renault(ルノー)と日産自動車、三菱自動車は、新6カ年計画の「アライアンス2022」を発表した。プラットフォームとパワートレインの共有や、電動化・自動運転などの技術の共有によるシナジー創出に取り組み、2022年に年間販売台数は1400万台以上、売上高は2016年比で3割以上の増加となる2400億米ドル(約26兆6400億円)を見込んでいる。
Renault(ルノー)と日産自動車、三菱自動車は2017年9月15日、新6カ年計画の「アライアンス2022」を発表した。プラットフォームとパワートレインの共有や、電動化・自動運転などの技術の共有によるシナジー創出に取り組み、2022年に年間販売台数は1400万台以上、売上高は2016年比で3割以上の増加となる2400億米ドル(約26兆6400億円)を見込んでいる。
2022年のシナジーは、2016年の50億ユーロ(約6645億円)から倍増の100億ユーロ(約1兆3290億円)を目指す。シナジー倍増には、現地化の推進や生産拠点の共用、共通プラットフォームの活用といった面での三菱自動車の貢献も含まれている。
ルノー・日産アライアンスは2017年上期(1〜6月)の世界新車販売台数が前年同期比7%増の526万8079台となり(※1)、同0.8%増の515万5600台だったVolkswagenグループや、同2.7%増の512万9000台のトヨタ自動車を上回ってトップに立った。計画の最終年度となる2022年の1400万台に向けて、この勢いをさらに加速させていく。
(※1)ルノー日産が世界新車販売台数で初の首位、ルノーと日産の好調さがけん引
2022年は走行距離600kmのEVと完全自動運転車を投入
計画の中で、電気自動車(EV)の開発目標を示した。まず、2020年までに複数のセグメントに展開可能なEV専用の共通プラットフォームを実用化するとともに、駆動用モーターとバッテリーを新規に開発し、アライアンスで共有する。
2022年までに、EV専用プラットフォームをモデルの70%で採用。モデル数は12車種まで増やす。また、NEDCモード(新欧州ドライビングサイクル)で走行距離600kmを達成する目標だ。バッテリーについてはコストを2016年比で30%削減するとともに、15分間の急速充電で走行可能な距離をNEDCモードで現状の90kmから230kmに拡大する。
三菱自動車のプラグインハイブリッド技術は、2022年までにアライアンス共通のC〜Dセグメントで採用する。
自動運転については、2016年に高速道路上の単一レーンで安全な自動運転を行う「プロパイロット」を採用した。2018年には危険回避や車線変更を自動的に行う、複数レーンでの自動運転技術を導入。そして2020年までに、交差点を含む一般道でドライバーが運転に介入しない自動運転技術を導入する計画を既に示している。
今回の発表では、2020年にドライバーが周囲を常時監視する市街地の自動運転と、ドライバーが必要に応じて運転に関与する高速道路の自動運転を実用化することを明らかにした。2022年には、ドライバーによる運転操作が不要な完全自動運転車を展開する。また、無人運転車を活用した配車サービス事業でのパートナーシップ拡大や、公共交通やカーシェアリング向けの車両提供にも注力する。
コネクテッド技術では、2018年に共通のインフォテインメントシステムやコネクティビティシステムを搭載する。また、全てのデータインタフェースを担うコネクテッドクラウドの立ち上げも目指す。コネクテッドクラウドは、無人運転車のサービスや物流の自動運転車に必要なゲートウェイも提供する。
三菱自動車もCMFアーキテクチャ、2020年に共通パワートレインも採用
3分野の技術開発と並行して、プラットフォームとパワートレインの共有範囲の拡大も進める。2016年は2つの共通プラットフォームで200万台を生産しており、エンジンは38機種のうち14機種を共有した。日産自動車の「ローグ」「キャシュカイ」「エクストレイル」とルノー「エスパス」「カジャール」「メガーヌ」、ルノー「クウィド」とダットサン「レディ・ゴー」などでプラットフォームやパワートレインの共通化が実行されている。
2022年の目標は次の通りだ。
- 4つの共通プラットフォームで900万台以上の車両を生産
- 31のエンジンのうち、22を共有
- CMFアーキテクチャをベースにしたアライアンスの共通プラットフォームに、自動運転に対応した新しいEV共通プラットフォームと、Bセグメント共通プラットフォームを追加
三菱自動車もCMFアーキテクチャを活用し、2020年までにアライアンス共通のパワートレインを車両に搭載する。
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