日産「ノート」は1000km走れる“電気自動車”に、「アクア」との差は縮まるか:電気自動車(1/2 ページ)
日産自動車はコンパクトカーの「ノート」を一部改良し、ハイブリッドモデルを追加した。エンジンは発電のみに使用し、駆動力はモーターでまかなうシステムで、「充電が不要な電気自動車」と位置付けている。
日産自動車は2016年11月2日、コンパクトカー「ノート」を一部改良し、ハイブリッドモデルを追加すると発表した。エンジンは発電のみに使用し、駆動力をモーターのみでまかなうシステム「e-POWER(eパワー)」を搭載しており、「充電が不要な電気自動車」(日産自動車)と位置付ける。
エンジンは燃費の良い回転数域のみを発電に使用するため、JC08モード燃費は37.2km/l(リットル)。運転の仕方にもよるが、1000km近く給油せずに走行できるという。eパワーモデルの税込み価格は177万円から。ノート全体の月販目標台数は1万台で、このうち6割がeパワーを選択すると見込んでいる。
ハイブリッドコンパクトカーの市場
ノートの2015年の販売台数は約9万8000台。コンパクトカー市場でのシェアは徐々に伸びており、2015年は15%だった。コンパクトカーはハイブリッド車の比率が37%まで高まっており、今後も需要が拡大していく見通し。ハイブリッドモデルの設定がある競合モデルとしては、ホンダ「フィット」が約12万台、トヨタ自動車「アクア」が約21万5000台を売り上げている。ノートのハイブリッドモデル投入も、こうした市場の要望に応えたものだ。
ハイブリッドコンパクトカーとしては後発となることもあり、比較しても見劣りしない燃費と価格を実現している。フィット ハイブリッドは、前輪駆動モデルが169万円から、JC08モード燃費は36.4km/l。アクアは176万円から、JC08モード燃費は37.0km/lとなっている。
eパワーは駆動用モーターのみで走行するため、モーターならではの走りや車内の静粛性を強みとし、競合モデルとの差別化を図る。
ノートなのに、スカイライン並みの走り
eパワーは、電気自動車「リーフ」と同じ駆動用モーターで走行する。最大出力80kW/最大トルク254Nmを発揮し、発進時の加速や時速60kmからの再加速では排気量2lのターボエンジン(日産自動車のモデルでは「スカイライン」が該当)を凌ぐとしている。
単純に高トルクを発揮するだけでなく、排気量2lターボエンジンと比較してG(加速)が安定し滑らかに走るという。また、従来のハイブリッドシステムと比較してエンジンが駆動する時間が半分まで短いため、静粛性も向上。クラスを超えた静粛性だとしている。
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