自動車連合がベンチャーキャピタルファンド設立、5年間で最大10億ドル投資:製造マネジメントニュース
ルノー、日産自動車、三菱自動車の自動車アライアンスが、オープンイノベーションを支援する企業ベンチャーキャピタルファンド「Alliance Ventures」を設立。今後5年間で最大10億ドルを投資する。
ルノー、日産自動車、三菱自動車の自動車アライアンスは2018年1月9日、オープンイノベーションを支援する企業ベンチャーキャピタルファンド「Alliance Ventures」を設立し、今後5年間で最大10億ドル(約1100億円)を投資すると発表した。
同ファンドは初年度、車の電動化、自動運転システム、コネクティビティ、人工知能などの新たなモビリティに焦点を当てている新興企業や、技術起業家が参加するオープンイノベーションのパートナーシップに向け、最大2億ドル(約221億円)を投資する予定だ。その後も毎年投資を行い、3社アライアンスが2017年9月に発表した戦略的中期計画「アライアンス2022」の期間中、業界最大の企業ベンチャーキャピタルとなることを目指す。
同ファンドの新興企業への投資により、財務リターンを確保しながら、新技術や新ビジネスをアライアンスに取り入れることが可能となる。また、新規事業立ち上げのあらゆる段階で戦略的な投資を行い、新たな自動車関連起業家の輩出や新規のパートナーシップを創出していく。同ファンドの代表には、投資銀行での長い業務経験を持ち、直近ではブラジル日産の社長を務めたFrançois Dossa氏が就任する。
最初の投資先は、コバルトフリーの全固体電池素材を開発する米Ionic Materials。研究開発協力を目的とした同社とアライアンスの共同開発契約の締結時に株式取得を行う。同社はマサチューセッツ州を拠点に自動車などに使われる高密度エネルギーバッテリーの性能やコスト競争力の向上を可能にする固体高分子電解質を開発している。
同ファンドの設立は、3社の協業を強化して2022年末までに年間100億ユーロ(約1兆3600億円)以上のシナジー創出を目指す「アライアンス2022」の目標達成を支えるものと位置付けられている。同ファンドに対し、ルノー、日産自動車はそれぞれ40%、三菱自動車は20%を出資し、投資判断や業績管理を行う専門の投資委員会を設置する予定だ。
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