IoTによる製造業革新へ、EtherCATやOPC-UAに対応したPLC:TECHNO-FRONTIER 2016
日立産機システムは、エレクトロニクス・メカトロニクスの展示会「テクノフロンティア2016」(2016年4月20〜22日、幕張メッセ)において、IoT対応産業用コントローラーを核に、つながる製造現場のデモを披露した。
日立産機システムは、エレクトロニクス・メカトロニクスの展示会「テクノフロンティア2016」(2016年4月20〜22日、幕張メッセ)において、IoT対応産業用コントローラーを核に、つながる製造現場のデモを紹介した。
インダストリー4.0やインダストリアル・インターネットなどIoTによるモノづくりやサービスの革新に注目が集まっているが、IoTによる製造革新を実現するには、システムやデータの水平統合と垂直統合が必要である。こうした中、工場内のさまざまな設備機器の制御を担うPLC(Programmable Logic Controller)においても、設備機器を制御するだけでなく、設備機器の情報をクラウドまでシームレスに伝え、その情報を分析することによって、工場全体やサプライチェーン全体を最適化する取り組みなどが求められるようになってきた。
オープン化、高性能化、シンプル化が特徴
これらを背景に日立産機システムでは、2015年11月に製造業のIoT対応の産業用コントローラーとして、新シリーズの「HXシリーズ」を発表している※)。新製品では徹底したオープン化を進めていることが特徴だ。2016年度第1四半期中(4〜6月)のリリースに向け準備を進めてきている。
※)関連記事:IoT対応の産業用コントローラーを日立製作所が開発、2016年4月から展開
具体的には、国際標準であるIEC61131-3規格に準拠するプログラミング言語を採用することで、グローバルでのプログラミング技術者の確保を容易にし、グローバル生産体制の構築を容易としている。また、産業用オープンネットワークであるEtherCATを採用し、近年急速に普及が進んでいるEtherCAT対応の多くの設備機器との連携を実現。機器の高速制御を可能としている。
さらに、「OPC-UA クライアント」としての機能を内蔵していることも特徴だ。「OPC-UA」はインダストリー4.0において、製造現場と上位システムのデータ連携における推奨通信規格として位置付けられている規格である。OPC-UA クライアント機能を持つことで、OPC-UA対応の上位システムから自由にコントローラーの情報を取得できるため、製造現場の情報と、基幹システムなどの情報を照らし合わせて、精度の高い経営判断などの実現につなげることなども可能となる。
日立産機システム 事業統括部 ドライブシステム事業部 制御システム設計部 PLC設計課 主任技師の植村剛氏は「製造現場でのIoT活用への関心は高まっており、HXシリーズについても多くの問い合わせが来ている。ただ、現状の製品と置き換えるだけでは高コストとなるだけなので、プロセス革新などと合わせて提案を進めている」と述べている。
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