3Dデータ版割り箸鉄砲をトライ&エラーでモデリング!
さて、実際の3Dモデリング作業ですが、筆者自身、設計のプロでもなんでもないので、まず感覚だけでパーツ構成や構造を決め、オートデスクの無償3次元CAD「123D Design」でモデリングを行っていきました(関連記事:無償3D CAD 5分講座)。
ちなみに、以前から123D Designとパーソナル3Dプリンタの使い方は何となく分かっていたので、スケッチを駆使しながらパーツを作成。印刷時のレイアウト(150×150×150mmの最大造形サイズ)を意識して、各パーツを3次元空間上にきれいに配置していきました。
その後、出来上がった試作1号をSTLファイルに書き出して、ダヴィンチ Jr. 1.0で出力。見た目は非常にきれいに出力できたのですが、4つに分けたパーツがきれいにハマらない……。無理やりテープでとめて何とか形にし、輪ゴムを引っ掛けようとしたのですが、今度は銃の先端に切り込みを入れ忘れていた……など、不備がたくさんありました。パーツ同士を組み付ける部分に関しては大幅な見直しが迫られました。
その後、2度ほど試作を繰り返し、行き着いたのが、某男性アイドルグループが無人島や村で培ったテクニックと、某ロボットプラモデルの結合部の作りでした。もちろん、それをそのまま再現する設計能力や知識はありません。いずれも“何となく”参考にして、“雰囲気”だけで実現してみました。その結果、若干力がいる&一度はめたら外せないというワナが残りながらも、ぴったりとパーツ同士がくっつくようになりました! 3次元CAD上での微調整などは感覚のみで行ったのでまさに奇跡です。
いわゆる引き金と本体部分は、割り箸鉄砲の伝統をそのまま受け継ぎ、輪ゴムで固定します。これで3Dプリンタ製輪ゴム銃の完成です。輪ゴムを飛ばす感覚も割り箸鉄砲そのままです。何度も3次元CAD上での修正と3Dプリントを繰り返したので、心が折れそうになりましたが、およそ2日間の格闘の末、素人設計でも何とか実現することができました!
今回の取り組みで感じたのは、3次元CAD&3Dプリンタだろうが、厚紙や段ボールだろうが、「今ある材料(ツール・機能)でどう実現するか」という本質的な部分は変わらないということでした。また、従来の割り箸鉄砲を観察し、1つ1つのパーツの意味や役割を理解しながらトライ&エラーで作成していく過程は、モノづくりそのものだと感じました。そして、何より「設計について学びたい」「図面を描けるようになりたい」というモチベーションも湧いてきました!
子どものころは割り箸鉄砲の構造のことなど一切考えずに、ひたすら遊んでいましたが、3次元CADを使って自分で設計し、3Dプリンタで実体化してみると、割り箸鉄砲は本当によく考え抜かれた上で、この構造、この形になったのだなと、あらためて感心しました(最初に考えた人、天才過ぎる)。
最近では、3Dプリント出力サービスも充実していますし、本稿で紹介したような無償の3次元CADもありますので、3次元CAD&3Dプリンタを活用したモノづくりを、夏休みの自由研究のテーマにしてみてはいかがでしょうか?
⇒ 「試してみた/使ってみたシリーズ」のバックナンバーはこちら
注:
本稿は、3次元CADと3Dプリンタを活用したモノづくりの楽しさを伝えるもので、武器の製造や人に危害を加えるモノの製造を助けるものではありません。本稿を参考にモノづくりを楽しまれる際は、全てにおいて自己責任で行ってください。万が一問題が発生した場合、当社および筆者は一切責任を持ちませんのでご注意ください。
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最高の1日だった……。