パナソニックが知財の一括管理とビジネス化を推進する新会社を発足:知財ニュース
パナソニックは、グループ内の知的財産に関する業務を集約・事業化する新会社「パナソニックIPマネジメント」を新設したことを発表した。
パナソニックは2014年9月22日、グループ内の知的財産に関する業務を集約し、事業化を進める新会社「パナソニックIPマネジメント」を2014年9月1日に設立し、2014年10月から本格稼働することを発表した。
新会社は、グループ内の知的財産における創造・保護・活用や係争の予防と解決などの知的財産活動の主軸機能そのものを事業として定義し、その経営責任を明確化するとともに、事業部基軸の成長戦略へのより積極的な貢献を実現することを目的としたもの。
信託業法第51条に定められた「同一の会社集団に属する者の間における信託」を活用することで、幅広い知的財産業務の遂行を可能とし、知的財産に関するワンストップソリューションの提供を目指す。具体的には、国内外の知的財産の調査、出願・権利化、維持・管理、利用許諾・譲渡・譲受に関する交渉など、知的財産に関する業務を集約し、高度な専門性をもって遂行することで、新規事業の創出と既存事業の強化に取り組む。
さらに、保有する知的財産の多面的かつ積極的な活用による収益の拡大、業務の標準化・効率化による知的財産関連経費の削減を図る。
パナソニックは世界知的所有権機関(WIPO)の調査でもトップとなるなど、世界でも有数の国際特許出願企業だ(関連記事:パナソニックが首位返り咲き! 国際特許出願数――トップ15のうち5社が日本企業)。新会社設立により豊富な知的財産に対する管理の効率化とともに、ビジネス貢献に結び付ける“攻めの知財活用”を拡大することで、強みを発揮していく狙いだ。
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