パナソニックが首位返り咲き! 国際特許出願数――トップ15のうち5社が日本企業:知財ニュース
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2013年の国際特許出願数は、パナソニックが中国のZTEを抜き、3年振りに首位に返り咲いた。またトップ15社を見るとシャープ、トヨタ自動車、三菱電機、NECなどもランクインしている。
世界知的所有権機関(WIPO)が2014年3月13日(現地時間)に発表した2013年の国際特許出願数は、パナソニックが中国のZTEを抜き、3年振りに首位に返り咲いた。またトップ15社に、シャープ、トヨタ自動車、三菱電機、NECなどもランクインした。ただ国別の出願総数を見ると日本は0.6%増と微増であり、上位陣以外の特許出願数はそれほど増えてはいない状況が明らかとなっている。
WIPOは、知的財産権保護を促進することを目的に設立された国連の専門機関だ。毎年国際特許の出願状況の調査結果などを発表している。2013年の国際特許出願数は、米国と中国からの出願が大きく増えたことから、前年比で5.1%増加し20万5300件となった。特許数の合計が20万件を突破したのは初めてだという。
企業別では、2009年と2010年に首位だったパナソニックが2881件の出願数で、3年振りに首位に返り咲き。昨年まで2年連続で首位だった中国ZTEを逆転した。3位は中国のHuawei(ファーウェイ)、4位が米国Qualcomm(クアルコム)と、モバイル通信系企業が上位を占めている。
以下、米国Intel(インテル)、シャープ、独Robert Bosch(ボッシュ)、トヨタ自動車、スウェーデンのEricsson(エリクソン)、オランダのPHILIPS(フィリップス)と続いている。日本企業はこの他、NECと三菱電機も15位以内に入り、特許技術力で存在感を示している。
中国と米国が2桁以上の成長
国別に見ると米国、中国、スウェーデンが2桁以上の成長を見せた一方で、ドイツや英国からの出願は減少した。日本は0.6%増と微増だった。出願数は、米国が5万7239件と首位で、次いで日本、中国、ドイツ、韓国の順番となっている。
また技術分野では、「電機・装置・エネルギー」分野が10.9%増の1万4897件、「コンピュータ技術」分野が18.0%増の1万4684件、「デジタルコミュニケーション」分野が11.3%増の1万4059件、「メディカル技術」が4.8%増の1万1920件、「計測」分野が8.8%増の7952件となり、トップ5を占めている。
より深く知的財産管理を学ぶには?:「知財マネジメント」コーナーへ
知財マネジメントの基礎から応用、業界動向までを網羅した「知財マネジメント」コーナーでは、知財関連の情報を集約しています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電機メーカーの特許資産ランキング――1位は経営再建中のあの会社
特許分析のパテント・リザルトは電機メーカーの保有する特許資産の質と量を総合評価した「電気機器業界 特許資産規模ランキング」を発表。特許総合力のトップは経営再建で注目を集めているパナソニックとなった。 - 経済産業省が特許の国際化対応に向け法改正、権利化までの期間も10年で半減へ
経済産業省は2014年3月11日、特許の国際化への対応を中心とする「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。2023年度までに、特許の「権利化までの期間」を半減するなどの数値目標を設定する方針も明らかになった。 - 知財は今日も快進撃!――2013年米国特許ランク、トップ50のうち19社が日本企業
米国の特許調査企業であるIFI Claims Patent Servicesが発表した、2013年の米国特許取得数ランキングによると、首位は21年連続でIBMが獲得した。3位となったキヤノンが日本企業では最高位。トップ50のうち19社が日本企業となり、18社だった米国企業を抑えて存在感を示している。 - アジアよ!これが日本の実力だ!――トムソン・ロイターが革新企業トップ100発表
トムソン・ロイターは、知財・特許動向を分析して世界で最も革新的な企業100社を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2013」を発表した。日本企業はトヨタ自動車やソニー、パナソニック、キヤノンなど28社が選出されている。