電機メーカーの特許資産ランキング――1位は経営再建中のあの会社:知財ニュース
特許分析のパテント・リザルトは電機メーカーの保有する特許資産の質と量を総合評価した「電気機器業界 特許資産規模ランキング」を発表。特許総合力のトップは経営再建で注目を集めているパナソニックとなった。
特許分析企業のパテント・リザルトは、独自に分類した「電気機器」業界の企業を対象に、保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「電気機器業界 特許資産規模ランキング」を発表。上位4社は昨年と同様、パナソニック、東芝、三菱電機、シャープとなった(昨年の結果を紹介した記事:企業の特許ランキング――電気ではパナソニック、東芝、三菱電機が強い)。
同社は特許として出願された技術の注目度を指標化した「パテントスコア」を算出。出願人、審査官、競合他社の3者のアクションに着目し、同一技術分野、出願年の他特許との相対比較により、偏差値によるスコアリングを行っている。
今回のランキングでは、2012年4月1日から2013年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、このパテントスコアを使った評価を行い、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせ、企業ごとに合計得点を集計した。パテント・リザルトでは「このランキングにより件数比較だけでは見られない特許総合力の評価が可能だ」としている。
今回のランキングの上位10社は昨年と全く同じ顔ぶれとなった。また、パナソニック、東芝、三菱電機、シャープのトップ4も昨年と全く同じ順位となった。ただ、富士通、日立製作所が1ランク、NECが2ランク、順位を上げている。
1位のパナソニックで注目度が高い特許には「車両に搭載されたカメラで運転者の顔画像を取得し、運転者の状態を検出する運転者監視装置」に関する技術や「非接触型ICカードの通信を良好にする通信装置」に関する技術などがある。また、東芝では「書き込みと読み出し間の動作マージンを向上させることが可能な磁気ランダムアクセスメモリ」、三菱電機では「環境負荷の少ない、安全で効率的な有害ガス処理装置および水処理装置」などへの注目度が高かったとしている。
より深く知的財産管理を学ぶには?:「知財マネジメント」コーナーへ
知財マネジメントの基礎から応用、業界動向までを網羅した「知財マネジメント」コーナーでは、知財関連の情報を集約しています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アジアよ!これが日本の実力だ!――トムソン・ロイターが革新企業トップ100発表
トムソン・ロイターは、知財・特許動向を分析して世界で最も革新的な企業100社を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2013」を発表した。日本企業はトヨタ自動車やソニー、パナソニック、キヤノンなど28社が選出されている。 - 恐るべきIBMの知財戦略、なぜ太陽電池に賭けるのか?
米IBMは太陽電池の開発に熱心に取り組んでいる。IBMはICT企業であり、エネルギー関連のハードウェアは守備範囲外のはずだ。なぜ太陽電池に取り組んでいるのか。さらに太陽電池の開発・量産では先行する企業が多く、今からIBMが開発を進める理由が分かりにくい。今回の「知財で学ぶエレクトロニクス」では、IBMの知的財産(知財)戦略において、太陽電池がどのような位置を占めるのかを、特許出願状況の調査と併せて解説する。 - 韓国に負けたのか日本企業、燃料電池で東芝とパナが健闘
家庭の据え置き用途、燃料電池車、携帯型用途……。燃料電池は発電効率が高い他、燃焼ガスの発生が少なく発電技術だ。動作音が静かであることも他の発電技術と比較して有利だ。燃料電池の研究開発は米国で始まり、日本と米国を中心に実用化が進んでいる。では特許戦略では日本は優位にあるのか。