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韓国に負けたのか日本企業、燃料電池で東芝とパナが健闘知財ニュース(1/3 ページ)

家庭の据え置き用途、燃料電池車、携帯型用途……。燃料電池は発電効率が高い他、燃焼ガスの発生が少なく発電技術だ。動作音が静かであることも他の発電技術と比較して有利だ。燃料電池の研究開発は米国で始まり、日本と米国を中心に実用化が進んでいる。では特許戦略では日本は優位にあるのか。

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 燃料電池は水素などの燃料用ガスと空気(酸素)から電力を取り出す装置だ。エンジンやディーゼル発電機とは異なり、燃焼過程がなく、無駄になる燃料が少ない。戸建て住宅に据え付けて利用する製品(エネファーム)は、高効率化、低価格化へと進んでおり、燃料電池車は、2015年ごろからの本格導入に向けて開発進行中だ。この他、非常用電源や携帯型機器向けの製品化が静かに進んでいる。

サムスンが強い

 燃料電池の「強い特許」を保有している企業はどこか。

 特許分析ソフトウェア開発や特許分析情報提供を行っているパテント・リザルトは、米国における特許の状況を発表した(図1)。燃料電池の構成要素のうち、水素イオンなどを通す「電解質」に注目し、強い特許の本数などを調べたものだ*1)。韓国Samsung SDIが最も強く、東芝とパナソニックが追っているという。

*1) 特許の強さを調べる際、出願件数だけに着目しても有益な情報が得られないことが多い。特許の強さ(質)が分からないからだ。そこで、同社は独自の基準を用いた個々の特許に対するスコアリング「パテントスコア」を使って、特許の質を評価している。パテントスコアとは、市場における特許の注目度を数値化した指標。特許審査官の引用が多いことや、出願した企業が権利化に対して意欲が高いこと、競合会社からの無効審判を跳ね返した実績がある場合に、高い点数を与えている。なお、権利者(企業)ごとにパテントスコアが50点以上のもののみを集計した値を「権利者スコア」と呼ぶ。パテントスコアの最高値を「最高スコア」と呼ぶ。


図1 燃料電池の特許の状況 燃料電池の電解質について強い特許を保有している企業を示した。図の上にあるほど、燃料電池に関する強い特許を多数保有していることを表わす。図の右にあるほど、最も強い特許が強力であることを示す。円の大きさは権利維持されているか、または今後権利化される可能性のある「有効特許」の件数を示す。出典:パテント・リザルト

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