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経済産業省が特許の国際化対応に向け法改正、権利化までの期間も10年で半減へ知財ニュース

経済産業省は2014年3月11日、特許の国際化への対応を中心とする「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。2023年度までに、特許の「権利化までの期間」を半減するなどの数値目標を設定する方針も明らかになった。

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特許審査のこれまでの目標と2023年度の目標

 経済産業省は2014年3月11日、「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。同法案は、現在開かれている第186回通常国会に提出される。併せて、2023年度までに、特許の「権利化までの期間」を半減するなどの数値目標を設定することも明らかになった。

 安倍政権は、2013年6月に発表した「日本再興戦略」および「知的財産政策に関する基本方針」(いわゆる「アベノミクスの第3の矢」)の中で、日本を今後10年間で世界最高の「知的財産立国」にすることを目指している。今回の法改正は、その実現に向けて、知的財産のさらなる創造・保護・活用に資する制度的・人的基盤を早急に整備するための措置を講じるものだ。

 法案は、(1)特許法の改正、(2)意匠法の改正、(3)商標法の改正、(4)弁理士法の改正、(5)その他から構成されている。

 変更内容は、特許の国際化への対応が中心だ。

 例えば、(3)商標法の改正では、他国では既に広く保護対象となっている色彩や音といった商標を、日本でも保護対象に追加するとしている。

 (2)意匠法の改正では、「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」(日本が加入を検討中)に基づき、複数国に対して意匠を一括出願するための規定を整備し、出願人のコスト低減を図ることになった。(5)その他でも、国際的な法制度に基づき特許の国際出願をする場合の他国の特許当局などに対する手数料について、日本の特許庁に対する手数料と一括で納付するための規定の整備を行うとしている(国際出願法の改正)。

 また、特許審査の新たな目標として、2023年度までに、「権利化までの期間」を14カ月、「一次審査通知までの期間」を10カ月に短縮する方針も定めた。「権利化までの期間」は、2012年の平均で29.6カ月だったが、審査体制の整備を通じて、約10年間で半減させることになる。「権利化までの期間」が14カ月というのは、世界最速の水準になる見通しだ。なお、「一次審査通知までの期間」は、11カ月以内という2013年度目標を達成の見込みなので、1カ月の短縮となる。

特許審査のこれまでの目標と2023年度の目標
特許審査のこれまでの目標と2023年度の目標。なお、2012年における各国の「権利化までの期間」は、日本の29.6カ月に対して、米国が31.6カ月、欧州が36.2カ月となっている。

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