中空シャフトの開口部を冷間鍛造で閉じる新技術、BEV用ローターの7.5%軽量化を実現:材料技術
愛知製鋼は、中空シャフトの開口部を冷間鍛造で閉じる独自の「口閉じ冷間鍛造技術」を開発した。同技術により、電気自動車(BEV)向けローターシャフトなどの駆動系部品において、薄肉化/軽量化と製造コスト低減の両立を実現した。
愛知製鋼は2026年10月23日、中空シャフトの開口部を冷間鍛造で閉じる独自の「口閉じ冷間鍛造技術」を開発したと発表した。
従来の冷鍛では不可能な絞り率を達成
従来の中空シャフトの開口部の閉塞技術では、特殊な成形設備を要するケースが多く、量産適用の障壁となっていた。一方、冷間鍛造で薄肉の中空シャフトの開口部を絞る場合、成形応力により、軸部が変形するため、大きく絞ることはできなかった。
同社では豊富な材料の評価技術を用いて、冷間鍛造のCAE成形解析の精度向上に取り組み、加工で生じる発熱の成形への影響など材料データを正確に入れることで、高精度な変形予測が可能になった。
この技術を生かすことで、適切な材料と独自の鍛造工程を組み合わせ、従来の冷鍛では不可能な絞り率([d0-d1]/d0)80%超を達成した(特許出願中)。加えて、シャフト内部を中空化し、薄肉で軽量な中空シャフトを作ることが可能となり、これによりバッテリー式電気自動車(BEV)用ローターの7.5%軽量化を実現した。
また、既存の冷間鍛造プレスを活用可能なため、設備投資を抑制でき、成形のための前熱処理工程も不要で、コスト低減と環境貢献の両立に役立つ。
同技術は、BEV向けローターシャフトなど回転部品への適用が見込め、薄肉化による冷却性能向上や電費改善への貢献が期待される。併せて、同社独自の設計技術により、さまざまな形状の製作にも対応する。
今後も独自の鍛造/材料技術を生かし、自動車の軽量化による環境負荷低減を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していく。
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