SDVへの移行を支える、CPUとマイコンと機能安全に対応するハイパーバイザー:車載ソフトウェア(2/2 ページ)
自動車の機能をソフトウェアによって定義するSDVへの移行において重要な役割を果たすと考えられているのがハイパーバイザーだ。このハイパーバイザーで、CPUとマイコンの両方で使え、自動車向け機能安全規格のASIL-Dに対応する製品を展開しているのが、韓国のスタートアップのPerseusである。
インフィニオンの最新車載マイコンで6個の仮想マシンを動作
Perseusは、「オートモーティブワールド[秋]2026」(2025年9月17〜19日、幕張メッセ)に出展し、PEGASUSを用いることで1個のECUに複数のシステムを組み込みることを示す展示を行った。
例えば、インフィニオンの最新車載マイコン「AURIX Tricore TC4D9」を用いて、6個の仮想マシン上でRTOS(リアルタイムOS)とアプリケーションを動作させるデモンストレーションを行った。
また、NVIDIAからリリースされたばかりの最新の組み込みAI(人工知能)ボードである「NVIDIA Jetson AGX Thor」を用いたデモンストレーションも披露した。こちらでは、5個の仮想マシン上でLinuxシステムが動作している。Perseusが最新のハードウェアに素早く対応できること示すものといえるだろう。
Perseusは、ハイパーバイザーのPEGASUS以外にも、Linux搭載システムの高速起動ソリューション「TACHYON」や、ハイパーバイザー型セキュリティソリューション「AEGIS」なども提供している。
このうち、TACHYONについては、NXPの車載ゲートウェイ向けプロセッサ「S32G」の評価基板「GOLD BOX」にPEGASUSを組み込んだ上で、Linux+TACHYONの仮想マシン、RTOSの仮想マシン、通常のLinuxの仮想マシンを同時に起動するデモンストレーションを行った。起動時間は通常のLinuxが3.42s、RTOSが1.88sなのに対し、Linux+TACHYONは1.7sと最も高速だった。
これら車載向け以外にも、スマートファクトリー向けにPEGASUSを組み込んだ1個のコンピュータで複数のロボットアームを統合制御するデモンストレーションも披露した。ソ氏は「フィジカルAIの進化は速く、ハードウェアも新しいものが続々と採用されていくだろう。しかし、どういったハードウェアになったとしても、ASIL-Dの機能安全に対応するPEGASUSは、安全確保で重要なフォールバック機能を容易に実現できることが強みになるだろう」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
車載ハイパーバイザーをインフィニオンのSoC評価プラットフォームに提供
Perseusの車載ハイパーバイザー「PEGASUS」が、Infineon TechnologiesのAURIX TC4Dx System on Chip(SoC)評価プラットフォームに提供された。
SDV向けオープンソース基盤、車載Linuxにコンテナやハイパーバイザーなどを統合
Automotive Grade Linuxは、SDV向けオープンソースプラットフォーム「SoDeV」の初期版を公開した。ハードウェアに依存しない開発環境を提供し、車両開発期間の短縮を支援する。また、新たに加盟した5社を発表した。
安全認証取得済みハイパーバイザーでソフトウェア定義型システムを支援
QNXは、セーフティクリティカルなシステム向けに設計された次世代組み込み向け仮想化プラットフォーム「QNX Hypervisor 8.0 for Safety」の提供を開始した。自動車や医療分野などにおけるソフトウェア定義型システムの安全性を担保する。
SDVのトップを快走するパナソニックオート、オープンソース活動が原動力に
自動車産業でSDVを推進するキーパーソンのインタビューを掲載していく本連載。第5回は、国内大手ティア1サプライヤーであるとともに、SDVに関する先進的な取り組みで知られるパナソニック オートモーティブシステムズの水山正重氏に話を聞いた。
コンガテックがx86向けハイパーバイザーをアピール、リアルタイムLinuxで倒立制御
ドイツのコンガテックは、「EdgeTech+ 2025」において、同社傘下のReal-Time Systemsが手掛けるハイパーバイザー「RTS Hyperviser」のデモ展示を行った。
機能安全準拠のリアルタイムハイパーバイザーを発表
Real-Time Systemsは、機能安全に準拠した新たなリアルタイムハイパーバイザー「RTS Safe Hypervisor」を発表した。安全なアプリケーションと安全でないアプリケーションの双方を単一のチップやハードウェアで管理できる。



