機能安全準拠のリアルタイムハイパーバイザーを発表:組み込み開発ニュース
Real-Time Systemsは、機能安全に準拠した新たなリアルタイムハイパーバイザー「RTS Safe Hypervisor」を発表した。安全なアプリケーションと安全でないアプリケーションの双方を単一のチップやハードウェアで管理できる。
Real-Time Systems(リアルタイムシステムズ)は2022年7月6日、機能安全に準拠した新たなリアルタイムハイパーバイザー「RTS Safe Hypervisor」を発表した。2023年前半の販売を予定している。
同製品は、安全なOSとしてQNXやZephyrをサポートしており、Linuxやその他のx86リアルタイムOSと組み合わせて用いることができる。Intelのプロセッサ「Atom x6000E」シリーズで動作する。
リアルタイム対応の安全制御と、GUIやAI(人工知能)ロジック、状況認識システム、マシンビジョンといった安全でないアプリケーションを組み合わせられる。コストを削減できるほか、単一のチップやハードウェアで安全なアプリケーションと安全でないアプリケーションを管理できるため、アプリケーション間でのデータ交換も容易となる。
対象となる認証は、安全関連組み込みシステム向けの「IEC61508」、機械の安全性に関する「ISO13849」(PLeまで)、医療機器ソフトウェア向けの「IEC62304」(クラスCまで)、鉄道向けの「EN50128」(SIL4まで)、産業用自動化および制御システム用「EC624434」などとなっている。
産業オートメーションや自律型車両、協働ロボット、医療機器、鉄道輸送、建設機械、農業機械といった用途に適する。
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