安全認証取得済みハイパーバイザーでソフトウェア定義型システムを支援:組み込み開発ニュース
QNXは、セーフティクリティカルなシステム向けに設計された次世代組み込み向け仮想化プラットフォーム「QNX Hypervisor 8.0 for Safety」の提供を開始した。自動車や医療分野などにおけるソフトウェア定義型システムの安全性を担保する。
QNXは2026年3月10日(現地時間)、セーフティクリティカルなシステム向けに設計された安全認証取得済みの次世代組み込み向け仮想化プラットフォーム「QNX Hypervisor 8.0 for Safety」の一般提供を開始したと発表した。フィジカルAI(人工知能)の進展に伴い導入が加速する、自動車やロボット、医療機器などの分野のソフトウェア定義型システムにおいて、厳格な機能安全保証を担保する。
本製品は「QNX Software Development Platform 8.0」を基盤に開発され、ISO 26262 ASIL-DやIEC 61508 SIL 4、IEC 62304 Class Cといった厳格な機能安全規格への対応を想定している。安全認証取得済みの仮想マシンマネージャーを通じて、リアルタイムマイクロカーネルで実証済みの分離保証を仮想化環境へ拡張。ゲストOS内で異常動作が発生した場合でも、ベースOSやクリティカルな機能への波及を防止する。
ハードウェアへの直接アクセス性能を持つタイプ1ハイパーバイザーの特性と、柔軟な開発が可能なタイプ2のアプローチを兼ね備えている点が特徴だ。決定論的な動作や予測可能な割り込み処理ができ、QNXのほかLinuxやAndroidなど複数のOSをサポートする。これにより、開発者は単一のハードウェア上で多様なワークロードを確実かつ効率的に統合可能だ。
既に中国の大手自動車メーカーや、欧州の大手ヘルスケア企業などが導入を表明している。ヘルスケア分野では医療機器のアーキテクチャを近代化し、規制要件に準拠した開発プロセスの迅速化に活用される。
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