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AIや5G/6G向けMLCCの小型化を加速するセラミックス分散剤、ナノレベルで微粒子化:材料技術

三洋化成工業の子会社サンノプコは、セラミックス粒子のナノレベルでの解砕と高分散化を実現する新たなセラミックス微粒子用分散剤を開発した。

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 三洋化成工業は2026年10月8日、子会社であるサンノプコが、積層セラミックコンデンサー(MLCC)をはじめとする先端電子部品向けに、ナノメートル領域(ナノレベル)までの微粒子化と高分散化を実現するセラミックス微粒子用水系分散剤を開発したと発表した。

チタン酸バリウムやアルミナなどの酸化物系材料にも対応可能

 近年、AI(人工知能)サーバやデータセンターの普及、5G/6G通信の高速化、電子機器の高性能化に伴い、MLCCをはじめとする電子部品にはさらなる小型化/高容量化が求められている。

 これに伴い、内部の誘電体材料であるチタン酸バリウムなどのセラミックス粒子の微粒子化や誘電体層の超薄層化が進んでいる。

 チタン酸バリウムなどのセラミックス材料の製造では、前工程において酸化チタンなどの原料粉末を目的の粒径まで均一に解砕/微粒子化することや、合成/仮焼によって生成したチタン酸バリウムなどのセラミックス微粒子を再凝集させずに均一に分散させることが重要だ。

セラミックスの製造プロセス
セラミックスの製造プロセス[クリックで拡大] 出所:三洋化成工業

 しかし、ナノレベルの微粒子は凝集しやすく、目標とする粒径までの解砕や、解砕後の再凝集を抑制しながら均一な分散状態を維持することが難しいという課題があった。

 また、生産性向上のためにスラリー濃度を高めたいニーズがある一方、粉砕の進行に伴ってスラリー粘度が上昇し、粉砕効率が低下するため、高濃度化が難しいという問題も存在した。

 さらに、用途や製造工程によっては、分散剤などの有機成分の残留が製品特性や工程設計へ影響を及ぼす可能性があるため、低温で効率的に分解/除去できることも求められていた。

 そこでサンノプコは、長年にわたりセラミックス製造プロセス向け添加剤を展開してきた知見と、これまで培ってきた界面制御技術および独自の分子設計技術を融合することで、セラミックス粒子のナノレベルでの解砕と高分散化を実現する新たなセラミックス微粒子用分散剤を開発した。

 今回の開発品は、湿式粉砕工程において優れた分散性能を発揮し、粒子同士の再凝集を抑制する。これにより、従来の分散剤では対応が難しかったナノレベルまでの微粒子化を可能にし、酸化チタンをはじめとするセラミックス粒子の効率的な解砕を実現する。さらに、微粒子化後も均一な分散状態を維持することで、スラリーの粘度上昇や沈降を抑制し、高濃度化や粉砕効率の向上に役立つ。チタン酸バリウムやアルミナなどの酸化物系材料にも対応可能だ。

分散剤による粉砕後粒径の比較
分散剤による粉砕後粒径の比較[クリックで拡大] 出所:三洋化成工業

 同開発品群には、高い分散性能に加え、低温分解性を備えたタイプもラインアップしている。用途や製造工程によっては、低温で効率的に熱分解/除去できることが求められる場合がある。こうしたケースで役立つ低温分解タイプは、熱重量分析(TGA)において約300℃までに有機成分の大部分が分解/除去される。従来品と比較してより低い温度で分解が進行するため、有機成分の残渣(炭素など)を抑えたい各種プロセスや、加熱/乾燥効率の向上、エネルギーコスト削減など、顧客の多様な製造ニーズに応じた選択が可能だ。

 同社は、水系/溶剤系の分散剤に加え、バインダー、消泡剤、離型剤、帯電防止剤などの各種添加剤を展開している。これらを組み合わせることで、原料の粉砕/合成工程からシート成形用のスラリー調整、成形、焼成に至るセラミックス製造プロセス全体に対するソリューション提案が可能だ。

 電子部品の小型化/高性能化は今後も継続すると予想されており、セラミックス材料の微粒子化や高機能化はさらに進展すると考えられている。

 この状況を踏まえて、三洋化成工業グループは、長年培ってきた界面制御技術を活用し、MLCCをはじめとする電子部品材料、半導体関連材料、先端セラミックス分野に向けた提案を進めていく考えだ。

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