ロボットに“見て、考えて、動く力”を与えたファナックがAWSと次に目指すもの:製造現場向けAI技術(2/2 ページ)
AWSジャパンの年次イベント「AWS Summit Japan 2026」の2日目に行われたスペシャルセッションにおいて、ファナック 常務執行役員 ロボット研究開発統括本部長 安部健一郎氏が登壇。フィジカルAIにおけるAWSとの最新の取り組みと今後の展望を語った。
1台のロボットが学んだことを全世界へ還元
フィジカルAIにおけるAWSとの直近の取り組みとしては、ロボットによる衣類のハンドリングを挙げた。
当初は、人がロボットに動作を教示し、模倣学習によりVLA(視覚言語動作)モデルをチューニングしたが、オンプレミス環境では学習時間の長さに課題があったという。そこでAWSのGPU搭載仮想サーバである「P5 インスタンス」を活用することで、学習時間が従来の60時間から4.8時間まで短縮したという。
また、実機による模倣学習に加え、AWSを活用した仮想空間での並列シミュレーションも実行しており、ファナックのロボットシミュレーター「ROBOGUIDE」とNVIDIAの「Isaac Sim」が連携することで、仮想空間上で実物と全く同じ動作でロボットを稼働できる。「これによって、データ収集の速度と量が劇的に向上し、ユーザーはさらなるアジリティを手に入れることができる」(安部氏)。
その他、薬局をイメージしたロボットとAIエージェントの活用シーンを動画で紹介した。患者が症状を伝えると、AIエージェントが薬の候補を挙げ、患者が同意すると、AIエージェントがバックヤードのロボットに指示を出す。ロボットが必要な薬を探して取り出し、袋に入れて薬剤師にわたし、患者へと提供される流れとなっている。
AWS Summit Japanの会場では、ミニチュアの街を舞台にAIエージェントが障害を認識し、ファナックの2台の協働ロボットと連携して自律的に対応するフィジカルAIのデモも披露した。
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「ファナックは70年間、モノづくりの現場に制御技術とロボットアームを提供してきた。それはこれからも変わらない。その上に、学ぶ力を追加する。1台が学んだことを全世界へ還元していく世界だ。これは製造業に限らず、あらゆる産業に同じ可能性が広がっていく。これを実現していくには、ファナックだけでは足りない。スタートアップとも積極的に連携し、日本の課題解決、競争力向上に貢献していく。フィジカルAIはまだ始まったばかりだが、これからの発展が非常に楽しみだ。ここにお集まりの皆さまと一緒にフロンティアを切り開きたい」(安部氏)
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