高まる手術支援ロボットの需要 インテュイティブサージカルが目指す医療支援とは:医療機器ニュース(2/2 ページ)
インテュイティブサージカルは手術支援ロボット「da Vinci(ダビンチ)」をはじめとした事業取り組みと今後の展望について説明した。
高まるロボット手術の需要 日本では800台以上のダビンチが稼働
日本におけるダビンチの稼働台数は2025年12月時点で870台を超えており、同年に実施したダビンチ手術のうち、84%が悪性腫瘍の治療に使用されていた。一方米国では、同年に実施したダビンチ手術のうち、74%が良性疾患の治療に使用されている。この結果を踏まえて、今後は日本でも良性疾患への適用拡大が期待されている。
グローバル市場においては、現在年間で2300万件実施している軟部組織外科手術のうち、約2000万件が低侵襲手術を適用可能になるといわれている。このうちダビンチが提供可能なのは、約900万症例と見積もられている。現在のアジア市場においても、過去5年間は20%台の成長率で推移しており、向こう5年間も同水準の成長を維持すると予測されている。
インテュイティブサージカルはプラットフォームとして、マルチポートのダビンチ Xiやダビンチ 5、シングルポートのダビンチ SP、エンドルミナルシステムのIonを展開している。最新機種であるダビンチ 5は現在17カ国で販売され1200台が稼働し、27万に及ぶ症例に用いられている。
ダビンチ 5は、機械のログデータと術野ビデオの融合に加え、掛かっている力を計測できる「フォースフィードバック」機能を搭載している。従来モデルのダビンチ Xiと比較して稼働率が約10%高く、より効率的な手術が可能である。
インテュイティブサージカルは「プロダクト」「ラーニング」「サービス」の3つから成るエコシステムを提供している。「われわれはシステムのダウンタイムが無いことを保証しており、設定した数値よりも悪い結果を得た場合は保守サービス費用を時間分に応じて返金している。過去5年間で99.99%の安定稼働実績を持っている」(滝沢氏)。
今後のテクノロジーについて、デジタル分野のイノベーションが主流となるといわれている。滝沢氏は「遠隔地にいる医師による教育支援(テレコラボレーション)や遠隔手術(テレサージェリー)も視野に入っている。加えて、AI(人工知能)やマシンラーニングを活用し、触ってはいけない領域を自動で避けるといった『Augmented Dexterity(操作性の拡張)』技術の搭載も期待が高まっている」と述べる。
日本においてもロボット支援技術のシェア拡大が予想されている。早期の外科医教育や鼠径ヘルニア修復などの良性疾患への適用拡大が進む見込みだ。また、Ionが提供するエンドルミナルシステムは医療ニーズの高い医療機器に選定され、開発要請を受けて薬事承認の準備が進められており、1年後をめどに詳細を発表予定だ。インテュイティブサージカルは、今後も医療従事者との強固な信頼関係に基づき、“ファーストチョイス”として選ばれる企業になるべく医療支援を続ける方針だ。
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