CAD不要で治具を設計、写真からモデル生成も:3Dプリンタニュース
日本3Dプリンターは、製造現場向けの治具設計ソフトウェア「Igniform」を2026年7月1日に提供開始する予定だ。3D CADの専門知識がない現場作業者でも、テンプレートの選択や寸法指定、写真からの形状抽出により、治具や固定具の3Dプリント向け造形用データを作成できる。
日本3Dプリンターは2026年6月11日、製造現場向けの治具設計ソフトウェア「Igniform(イグニフォーム)」を同年7月1日に提供開始する予定だと発表した。関連会社のFabriAIと共同開発した製品で、開発はFabriAIが、販売は日本3Dプリンターが担う。
Igniformは、3D CADの専門知識を持たない現場作業者が、治具や固定具の3Dプリント向け造形用データを作成できるデスクトップアプリケーションだ。テンプレートを選び、STLデータを指定するだけで造形用データを生成でき、現場での治具内製化を支援する。「Windows」および「macOS」に対応し、インターネット接続を前提としないオンプレミス型として提供する。
製造現場では、部品の位置決めや保持、検査、工具管理などに用いる治具のニーズが高く、近年は3Dプリンタによる治具の内製化が広がっている。一方で、治具の形状を設計するにはCADの操作スキルが必要であり、設計を担える人材が限られることや、設計工程が特定の担当者に依存することが、内製化を進める上での障壁となってきた。また、製造現場で扱う形状データやノウハウは社外秘であることが多く、クラウド型の設計サービスにデータを預けることへの懸念も根強い。
Igniformは、こうした「CADが使えなくても治具を設計したい」「データを外部に出さずに運用したい」という現場の声に応えるため、CAD不要の操作性と完全オフライン動作を両立する製品として開発された。
8種類のテンプレートや写真からのデータ生成機能を搭載
テンプレートとして、シャドウボード、位置決めプレート、Vブロック、組立ガイド、クランプ固定治具、検査/測定治具、溶接位置決め治具、物流トレイの8種類を搭載する。用途を選び、寸法やワーク形状を指定するだけで、治具や固定具の造形用データを作成できる。
また、写真から治具データを生成する「Photo-to-STL」機能も備える。2次元コードを指定位置に配置した専用トレイにワークを置いて撮影すると、コードを基準に向きを補正し、俯瞰画像から輪郭を抽出して2.5D形状を生成する。これにより、置き治具やシャドウボードを手早く作成できる。
この他、治具表面に管理番号や名称などの文字を刻印できる日本語対応のラベル刻印機能、造形前に印刷の可否を自動で検証し、問題箇所の自動修正を提案する印刷可能性チェック機能も搭載する。ソフトウェア内で設定した造形領域サイズやヘッド速度などのパラメーターに基づき、造形時間や材料使用量の目安を見積もる機能も備える。
ワークの3Dデータがある場合は、STLファイルを読み込み、治具がカバーする高さ方向の割合を設定すれば、最短3クリックでワーク受け治具のモデルを作成できる。生成したワーク受け治具は、シンプル化機能により、プレートとコーンからなる形状に変更でき、造形時間の短縮が可能になる。
日本3Dプリンターは、Igniformにより、これまで一部の担当者に依存しがちだった治具設計を、現場の誰もが扱えるものへと変え、顧客の治具内製化と現場の生産性向上を後押しするとしている。
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