データは取れるがつながらない ものづくり白書に見る製造業DXの課題:ものづくり白書2026を読み解く(2)(2/2 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、製造現場のデータ利活用の現在地について紹介する。
チェーン内のデータ連携は約3割、チェーン間は1〜2割
マニュファクチャリングチェーンの中で、チェーン内、チェーン間で企業の枠を超えたデータ連携を行っているかどうかを確認したところ、各チェーン内で何らかのデータ連携を行っている比率はそれぞれ約3割となっている。一方で、チェーンを越えたデータ連携についてはまだ行っているところは少なく、1〜2割という結果となっている。全てのチェーン間でデータ連携を行っているとした回答は3%弱だった。
製造業でのデータ連携では、各工程間をデータを結ぶデジタルスレッドの重要性が訴えられているが、まだまだその進捗にはハードルがあるといえそうだ。
また、AIを活用したデータ連携や統合を行っているかを確認したところ、活用している事業者はまだ非常に少なく「データ連携にAIを活用していない」とした回答が71.8%となった。また、データ連携を行っているとした回答でも「サービスチェーン内のみ」が8.1%、エンジニアリングチェーン内のみが5.0%、プロダクションチェーン内のみが6.2%、サプライチェーン内のみが5.0%という状況で、非常に少ない結果となった。
AI活用の進展により、将来的にはそれぞれの業務をつかさどるAIエージェント同士がやりとりをしながら、データ連携や判断の支援を行うような姿が描かれているが、まだまだ現実的には難しいことが分かる。
サプライチェーンや業界内など企業間データ連携は「あまり進捗なし」
企業間や産業横断でデータ連携を進める動きも重要視されているが、サプライチェーン内の企業とのデータ連携を「実施している」とした企業は16.4%となった。2023年調査との比較を見ると、微減となっており、あまり進捗が見られない状況となっている。
企業や業界横断的なデータ連携についてはさらに進んでおらず、「実施している」とした企業は3.2%となっている。サプライチェーンや環境関連情報などを共有するデータスペースの活用などについて関心は高まっているものの、まだまだほとんど形になっていない状況が見て取れる。
企業/業界横断的なデータ連携における課題については「セキュリティの担保」「データの秘匿性の確保」「スキルを持った人材の不足」「収集データの標準化」などを挙げた回答が多かった。データ連携を「必要性を認識しているが、実施できていない」とした回答者に絞ってみると、「スキルを持った人材の不足」が「セキュリティの担保」に次いで高い状況となっており、進めたくても人材がいないために進められないという状況がうかがえた。
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