新型「bZ4X」の走行距離が伸びた理由、デンソーの「世界初」と「世界最高」が貢献:人とくるまのテクノロジー展2026
デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」において、「世界初」となる独自3次元構造のSiCパワー半導体と、「世界最高」の出力密度とするコアモジュールを組み込んだ新型インバーターを披露した。
デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」(2026年5月27〜29日、パシフィコ横浜)において、「世界初」(同社)となる独自3次元構造のSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体と、「世界最高」(同社)の出力密度とするコアモジュールを組み込んだ新型インバーターを披露した。トヨタ自動車のEV(電気自動車)「bZ4X」の新モデルに採用されている。
SiCパワー半導体は同社として第3世代に当たり、特許技術である独自の3次元構造により、MOSFETで一般的な縦型構造の垂直方向への機能集積をさらに進めたという。これにより、競合他社の一般的なSiCパワー半導体がシリコンIGBT比で損失を60%削減できるのに対し、デンソーの第3世代SiCパワー半導体は70%もの損失削減を実現している。
新型インバーターは、この第3世代SiCパワー半導体をパワーカードに採用したコアモジュールが組み込まれている。このコアモジュールは、シリコンIGBTよりも高速駆動が可能なSiCパワー半導体の特性を生かすことによりインダクタンスを従来比で半減させるとともに、楕円型ピンフィンを用いた放熱形状を最適化することで市場トレンド比で約40%優れた冷却性能を達成している。
また、デンソーはインバーターのコアモジュールに独自の両面冷却技術を採用しているが、従来はパワーカードを縦置きにすることで集積度を高めていたため、高さ方向のサイズが一定以上になるという課題があった。新型インバーターのコアモジュールは、両面冷却技術を適用しつつパワーカードを平置きにすることで高さ方向の大幅な小型化を実現した。平置きにすることで、パワーカードに組み込むSiCパワー半導体を大面積にして大電流にも対応できるようになった。
これらの効果の積み重ねにより、新型インバーターのコアモジュールは従来比で30%の小型化を実現し、世界最高の出力密度(体積当たりの出力)を実現したとしている。
なお、bZ4Xの従来モデルは電池容量71.4kWhで走行距離が最大567kmだったのに対し、新モデルは電池容量74.7kWhのグレードで走行距離が746kmまで拡大している。「当社の技術が新型bZ4Xの商品力向上に大きく貢献できたのではないか」(デンソーの説明員)という。
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