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デンソー初のSiCインバーター、レクサスのEV「RZ」のリアeAxleに採用電動化

デンソーは同社初となるSiCパワー半導体を用いたインバーターを開発した。BluE Nexusが手掛けるeAxleのうち後輪用に組み込まれた上で、レクサスブランドのEV専用モデル「RZ」に搭載される。

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 デンソーは2023年3月31日、同社初となるSiCパワー半導体を用いたインバーターを開発したと発表した。BluE Nexusが手掛けるeAxleのうち後輪用に組み込まれた上で、トヨタ自動車が同月30日に発売したレクサスブランドのEV専用モデル「RZ」に搭載される。従来のSiパワー半導体を用いたインバーターと比べて特定の走行条件における電力損失を半分以下に抑えられ、EVの電費を向上して走行距離の延長に貢献する。


レクサスブランドのEV専用モデル「RZ450e」[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 開発したインバーターはデンソー独自のトレンチMOS構造を採用したパワー半導体で高耐圧と低オン抵抗を両立し、発熱による電力損失を低減して1チップ当たりの出力を向上する。

 製造に当たっては、デンソーと豊田中央研究所が共同開発した高品質化技術を基に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業の成果を取り込んだSiCエピタキシャルウエハーを活用することで、結晶欠陥を半減した。結晶の原子配列の乱れによって素子が正常に作動しなくなる結晶欠陥を低減することで車載品質を確保し、安定的なSiC素子の生産を実現している。

開発したインバーター(左)とパワーカード(右)[クリックで拡大] 出所:デンソー

 SiCエピタキシャルウエハーはレゾナックがデンソーに供給する。レゾナックの150mmのSiCエピタキシャルウエハーは2013年の市場投入以来、低表面欠陥や低基底面転位といった高い品質が評価されているという。今回、車載用での採用に当たっては、これまでの実績と品質特性が評価されたとしている。

 RZはレクサスブランド初のEV専用モデルだ。トヨタブランドの「bZ4X」と同じEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用している。駆動方式は4WDのみで、満充電からの走行距離は494km、電費は147Wh/kmとなる。2022年4月にRZを発表した際の開発目標値は「450km以上」だった。bZ4Xの4WDモデルは走行距離が540km、電費が134Wh/kmだ。bZ4Xの4WDモデルよりも高出力なモーターを搭載することや、前面投影面積など空力特性で、走行距離や電費に違いが出ている。

日産もインバーターにSiCパワー半導体

 日産自動車も、2024〜2025年ごろから量産車に搭載する新開発の電動パワートレインのインバーターにSiCパワー半導体を採用する。EVとシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」でインバーターの他、モーターや減速機を共通化する。

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