ソニーグループ、売上高と営業利益で過去最高 ゲームとイメージセンサーがけん引:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
ソニーグループは、2025年度の連結業績と2026年度を最終年度とする中期経営計画の進捗と方向性について発表した。2025年度の業績は、売上高と営業利益で過去最高を更新した。
エンタテインメント関連事業の売上高比率が約67%に
2025年度の業績発表と合わせ、2026年度を最終年度とする中期経営計画の進捗状況と経営方針について、ソニーグループ 代表執行役 社長 CEOの十時裕樹氏が説明を行った。
十時氏は2025年度の実績について「長期ビジョン『Creative Entertainment Vision』を軸に事業を進める中で、主要事業の多くが好調に推移し、過去最高水準の成果を達成した」と手応えについて語る。
ソニーグループでは、長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を掲げ、テクノロジーの力でクリエイターを支援し、リアルとデジタルの両方の空間で新たな体験を届け、IPの価値を最大化することに取り組んでいる。その中で、エンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション、リアルタイムクリエイション技術を軸とした事業の進化の方向性を示している。
これらの取り組みが進展したことで、エンタテインメントに関わるゲーム事業、音楽事業、映画事業の連結売上高における比率が約67%に高まったという。
一方で、市場動向などに合わせ、戦略事業の転換にも取り組んだ。Pixomondoのビジュアルエフェクト事業は段階的に収束させる。また、Bungieについては、見通しの下方修正に伴い、固定資産の減損を計上した。さらに、ソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」の開発と生産を中止した。十時氏は「これらの戦略的な転換は、2025年度の好調な業績を踏まえ、将来の成長に向けて実施したものだ」と語る。
ソニーグループのAI事業戦略
十時氏はさらにソニーグループとして、AIを「最重要テーマの1つ」だと説明する。「AIはエンタテインメントの世界に新たな機会をもたらす。単なる効率化にとどまらず、創造性を広げ、クリエイターを力強く支える機会だと捉えている。AIにより、これまでコストや時間の制約から挑戦が困難だった、より革新的なプロジェクトにも取り組みやすくなる」(十時氏)。
既にソニーグループ内ではAI活用でさまざまな業務改善に取り組んでおり、多くの実績を残しているという。例えば、ソニー・ピクチャーズでは、制作期間の短縮とアウトプットの拡大に向けて、AIをはじめとする先進技術をワークフロー全体に展開している。制作計画、コンテンツ保護、業務効率化、データ分析、イノベーション、そして3DコンバージョンにおけるAI活用を進めており、これまでに5000万ドル以上を投資しているという。
加えて、バンダイナムコホールディングスと共に、生成AIや最新テクノロジーをどのように活用すれば、映像制作において貢献できるのか、制作に関わる方々と試験的な取り組みを続けているという。
ゲーム事業でもAI活用を進めており、反復作業の自動化やソフトウェア開発の生産性向上に加え、品質保証や3Dモデリング、アニメーションなどでも活用しているという。例えば、社内で開発した「Mockingbird」は、パフォーマンスキャプチャーから高品質な3Dのフェイシャルアニメーションを生成する。これにより、従来は数時間かかっていた作業を、わずかな時間で完了することができるという。このツールは既にいくつかのゲームタイトルで活用されている。
また、AIはハードウェアの向上にも寄与しており、PS5 Proに搭載された最新の「PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション」は、機械学習によって映像の解像度を高め、高いフレームレートでの4K描画を実現しているという。ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長 CEOの西野秀明氏は「AIは、スタジオの創造性をさらに引き出してプラットフォーム体験を実現する」と語っている。
十時氏は2026年度に向けて「世界は地殻変動ともいえる大きな変化が進行しているが、ソニーグループの事業環境については前向きな見通しを持っている。ただ、中東で不安定な情勢が続く中、関税の圧力なども予測が難しく、パートナーシップやサプライチェーンに新たな課題と不確実性が生じる可能性もある。こうした環境下では適応力が求められる。過去の前提に頼ることなく将来の成長に向けて革新的な取り組みを進めていく」と説明している。
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