「Matter」発表から4年、スマートホームは“理想郷”にどこまで近づいたか:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
Connectivity Standards Allianceはメディア向けイベントを開催した。スマートホーム共通規格の最新版「Matter 1.5」や、専用アプリ不要のスマートキー規格「Aliro」について解説。デモンストンレーションも行った。
カメラサポートを追加した「Matter1.5」でマイルストーンを達成
CSA 日本支部代表であり、X-HEMISTRY 代表取締役も務める新貝文将氏は、Matter規格の進化と市場の反応について振り返った。
2022年10月発表の初期バージョン「Matter 1.0」の段階では、サポート機能の不足を指摘する声もあったが、バージョンアップを重ねるごとにそうしたネガティブな声は払拭されてきたという。2025年11月リリースの「Matter 1.5」では、市場から最も期待されていたカメラサポート機能がついに追加された。これにより、プラットフォーマーやカメラメーカーは、複雑な連携システムを設けなくてもMatter対応のエコシステムとカメラを直接相互運用できるようになる。
「Matter発表時にCSAが描いていた理想に対し、現時点でどの程度達成できていると思うか?」と質問したところ、新貝氏は次のように語った。
「当初は、『スマートホームはつながらないと意味がない』という声も多かったが、Matterのバージョンアップや対応製品の増加により、その問題は解消されつつある。機能面では、直近のMatter 1.5のリリースによって、CSAが目指してきた1つの大きなマイルストーンは達成できたと考えている。今後はこれをいかに普及させていくかというターンに入る。2026年はMatterにとって非常に大事な年になるだろう」(新貝氏)
専用アプリ不要のスマートキー新規格「Aliro 1.0」
イベントでは、2026年2月に仕様が公開されたスマートキー共通規格「Aliro(アリロ) 1.0」も紹介した。
Aliroは、CSAがセキュリティのアクセス制御共通化を目的に推進する、グローバル標準規格である。2023年末の構想発表を経て誕生し、スマートフォンやウェアラブル端末を「デジタルキー」として利用するための共通基盤を整備する役割を担う。
これまでスマートロックの分野ではメーカーごとに仕様が異なり、導入側も運用側も互換性の欠如や煩雑な管理方法が課題であった。Aliro 1.0はメーカーごとに専用の認証アプリのインストールが不要で、ユーザーは、AppleウォレットやGoogleウォレットといったOS標準のウォレットアプリを使って解錠/施錠が可能になる。
また、端末を直接タッチして認証する近距離無線通信(NFC)をはじめ、ハンズフリー認証が可能なBluetooth Low Energy(BLE)や超広帯域無線(UWB)にも対応する。このように多様な設置要件に柔軟に対応することで、一般住宅にとどまらず、オフィスや宿泊施設など幅広い領域において高度な相互運用性が実現すると期待されている。
新貝氏は、AliroはMatterと競合するものではなく、互いに補完しあうものだと説明した。
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