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あなたの家電がサイバー攻撃の踏み台に? 購入時は星マークをチェックしようIoTセキュリティ

電子情報技術産業協会(JEITA)は、IoT機器向けセキュリティ評価制度「JC-STAR」の普及イベントを開催した。IoT機器を狙うサイバー攻撃が急増する中、国が策定した新たな適合ラベルの概要や、メーカー各社の取り組みについて紹介する。

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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2026年2月26日、東京都豊島区のアットビジネスセンター池袋駅前別館において、スマートホーム機器普及啓発イベント「未来の暮らしを、もっと安全に。JC-STARで選ぶIoT」を開催した。

 イベントでは、国の新たなセキュリティ適合性評価制度の解説や、家電メーカーらによる製品へのセキュリティ対策の実装事例や研究開発の取り組みについて説明した。また、モデレーターとしてフリーアナウンサーの渡辺真理氏と、特別ゲストとして「家電芸人」で知られるチュートリアルの徳井義実氏が登壇し、消費者目線でのセキュリティの重要性について意見を交わした。

関係者らによる写真撮影
関係者らによる写真撮影[クリックで拡大]出所:JEITA

狙われるIoT機器、過去には個人宅を狙った攻撃も

 近年、インターネットに接続して遠隔操作やデータ通信を行う家電などのIoT(モノのインターネット)機器が普及している。しかし、インターネットにつながる利便性を逆手に取ったサイバーセキュリティ被害も増加傾向にある。

経済産業省の武尾伸隆氏
経済産業省の武尾伸隆氏

 経済産業省 商務情報政策局 サイバーセキュリティ課長の武尾伸隆氏によれば、「現在サイバー攻撃の約3分の1はIoT機器を狙ったものだといわれている」と語った。実際に過去には、個人宅のネットワークや家庭用セットトップボックスが乗っ取られ、マネーロンダリングの踏み台攻撃に悪用された事例も報告されている。

 こうした背景から、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」(2024年8月、経済産業省公表)に基づき、2025年3月に「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」を策定した。

「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」
「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」[クリックで拡大]出所:情報処理推進機構

 JC-STARは、消費者がセキュリティ要件を満たしたIoT機器を見分けられるよう、要件を満たした製品に適合ラベル(星マーク)を付与するものである。適合基準として★1〜4(レベル1〜4)の4段階を定める。適合が認められた製品には、2次元バーコード付きの適合ラベルを付与し、製品詳細や適合評価、セキュリティ情報/問い合わせ先などの情報を調達者や消費者が取得できる仕組みだ。

2026年2月時点で約1000製品型番が認証を取得

 現在、JC-STAR制度において適合評価が行われているのはレベル1のみである。情報処理推進機構(IPA) フェロー/技術評価部 部長の神田雅透氏によれば、レベル1を取得した製品は、「マルウェア感染/bot化(感染した機器への不正操作)対策」「脆弱(ぜいじゃく)性への対応(脆弱性テストの実施、販売後のソフトウェアアップデート)」「データ保護(機器を手放す際のデータ消去機能)」などの要件を満たしているという。

適合ラベルを掲げるIPAの神田雅透氏
適合ラベルを掲げるIPAの神田雅透氏[クリックで拡大]

 2026年2月20日時点でのレベル1適合ラベル発行数は、65社157申請で、製品型番数では1000種類を超えている。また、2026年2月6日には、通信機器とネットワークカメラを対象としたレベル3セキュリティ要件を公開した。2026年秋にはレベル2の申請受付を開始する予定だ。

パナソニックには2018年から独自策を展開

パナソニックの山本雅哉氏
パナソニックの山本雅哉氏

 各社による製品プレゼンテーションでは、パナソニック CTO 技術部門 システムテクノロジー開発センターエキスパートの山本雅哉氏が登壇し、自社の取り組みについて説明した。

 パナソニックは、各国でIoT機器向けのセキュリティガイドライン策定が始まった2018年ころから、社内で独自に技術要件の分析や研究開発を進めてきた。そのため、「国内でJC-STARの運用が開始される以前から、全ての自社の製品開発プロセスに対して実践的なセキュリティ対応を組み込んできた」(山本氏)と語る。

 制度開始にあたり、ルームエアコン「エオリア」や冷凍例倉庫「NR-F65WX2」、外でもドアホン「VL-X70AHS」などの製品でJC-STARレベル1のラベルを取得した。山本氏は、「製品をネットワークに接続して便利に使用してもらう上で、セキュリティは絶対に妥協できない基盤だ。2018年から社内で先回りして進めてきた独自の取り組みが、目に見える形で証明された。今後もこの基準をベースに、さらなる安心を担保できる体制を強化していく」とさらなる展開への意欲を示した。

パナソニックのルームエアコン「エオリア」
パナソニックのルームエアコン「エオリア」[クリックで拡大]
製品説明を受ける徳井義実氏
製品説明を受ける徳井義実氏[クリックで拡大]

 説明会後、ヤマダデンキ LABI池袋本店の5階特設イベントスペースにおいて、JC-STAR適合ラベルの認証を得た製品らを展示した。渡辺真理氏と徳井義実氏が、各社の担当者から製品について、セキュリティ面での安全性などの説明を受けた。

 徳井氏は、「家電は好きだが、セキュリティへの不安から自宅には猫用の自動給餌器など数個のIoT機器しか導入していなかった。このようなラベルがあれば、自分のように購入時に迷う方々にも目印になるのでは」と、消費者視点で新制度への期待を寄せた。

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