「Matter」発表から4年、スマートホームは“理想郷”にどこまで近づいたか:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
Connectivity Standards Allianceはメディア向けイベントを開催した。スマートホーム共通規格の最新版「Matter 1.5」や、専用アプリ不要のスマートキー規格「Aliro」について解説。デモンストンレーションも行った。
スマートホームとは、家電や住宅設備をインターネットに接続し、スマートフォンや音声アシスタントを通じて一括操作や自動化を実現するものだ。例えば、帰宅時に「アレクサ、ただいま」と声をかけるだけで、自動でリビングの照明がつき、快適な温度に空調が設定され、リラックスできる音楽が流れる――。こうしたシームレスで快適な生活体験が、スマートホームの実現によってもたらされる。
しかし、スマートホーム環境を構築する上で長年の障壁となっていたのが、メーカーやプラットフォームごとの規格の分断だ。この課題を解決する共通規格として「Matter」が発表されてから、約4年が経過した。市場が思い描くシームレスな理想郷には、果たしてどこまで近づけたのだろうか。
Connectivity Standards Alliance(CSA)は2026年3月18日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にてメディア向けイベント「Matter in Motion」を開催した。イベントでは、最新バージョン「Matter 1.5」や、スマートキーの共通規格「Aliro 1.0」についての解説に加え、各機能のデモンストレーションを実施した。
スマートホームの分断を解消する「Matter」とは
CSAは、IoT(モノのインターネット)における共通規格の策定や維持を行う無線通信規格の標準化団体である。Apple、Google、Amazon、Samsungなどプラットフォーマーに加えて、IKEAなどデバイスメーカーの参画も進んでおり、現在は世界54カ国で約900社が会員だ。日本においてもパナソニック、ソニーらが参画している。
CSAが推進する「Matter」とは、メーカーやプラットフォームに依存せず、スマートホーム機器間の相互運用性を担保するためのオープンな世界標準規格である。Matter認証を取得した製品であれば、特定のOSやメーカーに縛られることなくシームレスな連携が可能となる。これまでスマートホーム普及の障壁となっていた、通信規格やエコシステムの分断を解消する基盤技術として市場での実装が拡大している。
なお、Matterの仕組みや詳細な特徴については、以下の関連記事で詳しく解説している。
日本市場は「一挙に爆発的な拡大を遂げる」
イベントに登壇した、CSA CEO兼プレジデントのトビン・リチャードソン氏は、Matterの意義を次のように語った。「急速な進化を遂げるAI(人工知能)時代において、Matterは人々の生活を根底から支える重要なインタフェースの役割を担う。技術革新のスピードが加速する現在だからこそ、Matterのような世界共通の標準規格が存在することで、初めてデバイス間の相互運用性と強固なセキュリティが担保される」(リチャードソン氏)
また、リチャードソン氏は日本のIoT分野が秘めるポテンシャルを高く評価し、今後の市場予測を見据えた。
「日本はデジタル志向が強く、エネルギー関連や高齢者向けのエージテック、集合住宅、セキュリティなどの分野で世界的に強いリーダーシップを持っている。国内におけるスマートホームの普及はまだ初期のフェーズにとどまっているが、だからこそ、今後は一挙に爆発的な拡大を遂げると予測している」(リチャードソン氏)
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