位相ジッタ30フェムト秒を達成した低ノイズの差動クロック用水晶発振器:組み込み開発ニュース
京セラは、位相ジッタが30フェムト秒と低ノイズの差動クロック用水晶発振器「X」シリーズを発表した。AIサーバなど高速データ通信におけるノイズや消費電力の低減に貢献する。
京セラは2026年2月10日、位相ジッタが30フェムト秒と低ノイズの差動クロック用水晶発振器「X」シリーズを発表した。同年1月から量産を開始している。
新製品は、同社独自の半導体フォトリソプロセスとプラズマCVM(化学的気相加工法)を用いた小型素子設計技術にICを組み合わせることで、312.5MHzにおいて位相ジッタ30フェムト秒を達成した。周波数が同じ従来製品と比較して、位相ジッタを約25%低減するため、高速通信のビットエラーを抑える。
また、新型の差動出力発振ICがAI(人工知能)サーバなどの消費電力を削減する。例えば、Xシリーズの156.25MHz(LV-PECL出力)では、従来品の50mA(Typ.)から42%削減し、29mA(Typ.)となっている。
出力周波数範囲は100MHz、125MHz、156.25MHz、312.5MHz、出力タイプはLV-PECLとLVDS。サイズは2.0×1.6×0.5mm、2.5×2.0×0.5mm、3.2×2.5×0.5mmの3種を展開する。周波数許容偏差は±15×10−6(動作温度範囲−40〜+85℃)、±20×10−6(同−40〜+105℃)となっている。
主な用途として、AIサーバ、光トランシーバー、ストレージ関連機器、車載ADAS(先進運転支援システム)機器を想定している。
AIや5G通信の普及により、通信データ量も増大しており、ネットワーク機器やサーバには、さらなる高速化と低消費電力化が求められている。また、高速通信において、エラーにつながる信号のずれやノイズを極力抑える、低位相ジッタ特性の差動クロック用水晶発振器が注目されている。
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