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京セラがJAEと資本業務提携、コネクター事業のグローバル競争力を強化:製造マネジメントニュース
京セラは、NECが保有する日本航空電子工業の株式33.0%を取得し、資本業務提携契約を締結した。提携により、日本航空電子工業が得意とするコネクター事業の成長を加速し、グローバル競争力を強化する。
京セラは2025年10月30日、NECが保有する日本航空電子工業(JAE)の株式33.0%を取得し、資本業務提携契約を締結した。株式取得は同月31日で、取得後、JAEは京セラの持分法適用会社となる。
京セラは電子部品部門において、米国子会社KYOCERA AVX Components Corporation(KAVX)の販売網と、省人化や効率化を追求した生産技術を組み合わせて、収益性とシェア拡大を狙う。
電子部品のうちコネクター事業では、京セラはフレキシブル基板や基板対基板コネクターの開発を得意としている。しかし、自動車やデータセンター、産業ロボットに用いられる、小型、高電圧対応、耐震、防水といった多様な要求に対しては、生産技術や規格化ノウハウに課題があった。
今回、コネクター事業規模で世界のトップ10に入るJAEと業務提携を結んだことにより、京セラは同事業でのグローバル競争力を強化する。
両社は協業推進チームを設け、KAVXチェコ工場への製造委託品の拡大、欧州での販売連携を進める。また、設計リソースを生かした新製品や次世代コンピューティング向け光技術の共同開発に加え、両社の販売チャンネルを活用したクロスセルの推進にも取り組む。携帯機器やICT機器向けの開発体制も早急に整える。
なお人事では、京セラがJAEの取締役1人を派遣する権利を持つことで合意している。
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