現場の点群/メッシュデータから円筒形状を高精度に自動検出する技術で特許:メカ設計ニュース
bestatは、欠損や遮蔽のある点群/メッシュデータからでも円筒形状を高精度に自動検出できる新技術で特許を取得した。従来課題だった誤検出や手作業を大幅に削減し、3D CADデータへの自動変換を可能にする。
bestatは2025年12月4日、点群およびメッシュデータから円筒形状を高精度に自動検出する新技術について、日本国内で特許を取得したと発表した。
同技術は、360度の計測が困難な環境においても、必要な円筒形状だけを正しく抽出し、3D CADデータ(ソリッドデータ)として活用できるようにするものだ。
工場やプラントなどでは、配管やダクト、タンクといった円筒形状の部材や設備が多数存在しており、それらは現場のデジタルツインを構築する上で中核要素の一つとなっている。
しかし、従来の円筒検出技術では、複数の配管が重なった箇所で誤検出が起こりやすく、壁際や地中、影の影響で点群が欠損すると円筒の正確な検出が難しかった。このため、現場では人手による修正作業が避けられなかった。
今回、特許を取得した技術は、独自アルゴリズムによって“正しい円筒”のみを視覚的に抽出する精度が10倍以上に向上しており、これまで必要とされていた手作業での3Dデータ修正が大幅に削減されるという。
さらに、壁際や地中、構造物の裏など360度の計測ができない箇所でも、形状を推定/復元することが可能で、点群が途切れていても“円筒らしさ”を推定して検出できる。この機能により、これまで困難とされてきた環境下においても、精度の高い円筒抽出が実現する。
検出された円筒形状は、同社の産業向け3Dデータ活用プラットフォーム「3D.Core」でそのまま3D CADデータに変換可能であり、手動でのモデリング工数が不要になる。
同社は、今回の特許技術を単なる円筒抽出精度の向上にとどめず、AI(人工知能)エージェントが現場データから自動でCADを生成する将来的な仕組みの中核技術として位置付けている。
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