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フッ素フリーの帯電防止剤を開発、樹脂に混ざりやすいイオン液体タイプ:材料技術
日本化学工業は、フッ素フリーのホスホニウム塩系帯電防止剤を開発した。分解開始温度は420℃、粘度は7600mPa・sとなる。
日本化学工業は2025年11月12日、フッ素フリーのホスホニウム塩系帯電防止剤を開発したと発表した。
世界的なPFAS(有機フッ素化合物)規制の拡大を受け、各国で対応が求められている。こうした状況の中、同社はホスフィン誘導体の合成技術を活用し、フッ素フリー帯電防止剤の開発に成功した。
開発した製品は、さまざまな樹脂に混ざりやすいイオン液体タイプだ。分解開始温度は420℃で、粘度は7600mPa・s、表面抵抗値は1.2×109Ω/□となる。他にも多数のグレードの開発に着手しており、福島第二工場での実機製造に早期着手できるよう開発体制を整える。
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