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曇り度合が従来の10分の1、高透明性のポリプロピレン樹脂:材料技術
日本ポリプロは、曇り度合を示すヘイズ値を従来の10分の1に低減した、透明性の高いポリプロピレン樹脂を開発した。透明樹脂の代替材料として、軽量化と環境負荷低減への貢献が期待される。
日本ポリプロは2025年11月5日、曇り度合を示すヘイズ値を従来の10分の1に低減した、透明性が高いポリプロピレン(PP)樹脂を開発したと発表した。透明樹脂の代替材料として、軽量化と環境負荷低減への貢献が期待される。
開発には、高い分子制御と均一な構造を可能にする、独自のメタロセン触媒技術で製造したPP「ウィンテック」を活用。これを活用することで、ヘイズ値で1.5%を達成し、従来材の15%と比べて大幅に改善した。
樹脂の流動性を示すMFRは30g/10minで、曲げ弾性率は1450MPa。シャルピー衝撃強度
4kJ/m2となる。透明性で優位にあったポリスチレン(PS)やポリエチレンテレフタレート(PET)の代替材料として使用することで、製品重量を低減し、輸送効率の向上やCO2の削減が期待できる。
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