三菱ケミカルGが化粧品容器の資源循環型モデル構築に向け、アルビオンと協業:リサイクルニュース
三菱ケミカルグループは、化粧品容器の資源循環型モデル構築を目指し、高級化粧品の製造/販売を行うアルビオンとの協業を開始する。
三菱ケミカルグループは2025年2月28日、化粧品容器の資源循環型モデル構築を目指し、高級化粧品の製造/販売を行うアルビオンとの協業を開始すると発表した。
アルビオンで発生する廃棄資材を三菱ケミカルグループでケミカルリサイクルし、新たな化粧品容器へ再生する。
2025年内をめどに再生プラスチックを容器に使用した新製品を発売
化粧品容器は、容器メーカーからアルビオンに納品される際に、キズ防止のためプラスチック製の緩衝材や、ホコリの混入を防ぐためのポリ袋などで梱包されている。これらの梱包資材は、従来は廃棄物としてサーマルリサイクルされていた。
今回の協業では、使用済みの梱包資材を回収し、三菱ケミカルグループの茨城事業所(茨城県神栖市)に新設したケミカルリサイクル設備で油化し、ポリプロピレン樹脂に再生した後、化粧品容器の材料として使用する循環型モデル構築を目指す。アルビオンでは、2025年内をめどに再生プラスチックを容器に使用した新製品を発売する予定だ。
なお、同協業において、緩衝材の回収/資源化をリファインバースグループが、再生ポリプロピレン樹脂の製造を日本ポリプロが担う。
三菱ケミカルグループは国内最大規模となる年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を2024年11月に新設した。英国のMura Technologyの技術を導入したこの設備は、「超臨界水」と呼ばれる高温/高圧の状態の水の中で廃プラスチックを分解し、リサイクル生成油に再生。リサイクル生成油を石油製品や化学品、各種プラスチックへと再製品化することで、高効率なケミカルリサイクルの循環が実現する。
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