設備巡回点検を効率化する新機能、データの自動取得と報告書作成を一体化:製造業IoT
バルカーは、設備点検プラットフォーム「MONiPLAT」に新機能「ZeroVisit」を追加した。センサーデータの自動取得から報告書作成までを一体化し、巡回点検業務を効率化する。
バルカーは2025年9月30日、設備点検プラットフォーム「MONiPLAT(モニプラット)」に、巡回点検工数ゼロを目指す新機能「ZeroVisit(ゼロビジット)」を追加したと発表した。
国内製造業では、2030年に約640万人の労働力不足が予測され、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が求められている。MONiPLATは 点検報告書の作成や承認申請、スケジュール管理、リマインド機能などを備えた設備管理プラットフォームだ。これまでに1500社以上に利用され、点検業務のペーパーレス化を支援してきたが、作業員が現場を巡回する業務のデジタル化は難しく、課題となっていた。
コネクシオとの協業で開発したZeroVisit機能は、センサーデータの自動取得から報告書作成までを一体化し、巡回点検業務を効率化する。配線工事不要でセンサーを設置できるため、IoT(モノのインターネット)化を低コストで始められる。
センサーは温湿度、流量、液面、圧力、照度、CO2などに対応し、取得したデータを自動で点検票に転記してグラフ化する。担当者はスマートフォンからワンタップでデータを収集でき、現場を巡回することなく報告書を作成できる。これにより、巡回点検工数を削減し、作業員は高度な判断業務に集中できるようになる。
さらに、蓄積したデータを分析して、異常の兆候を早期に検知する状態基準保全(CBM:Condition-Based Maintenance)に活用できる。高温や高所など危険エリアでの作業が不要になるため、安全性の向上にも寄与する。
なお、ZeroVisitはMONiPLATの統合機能として提供されるため、MONiPLATの既存ユーザーは契約変更なしで利用を開始できる。
今後、予知保全など他サービスとも連携し、設備をワンストップで管理できるよう、MONiPLATの機能を拡大していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
 “行かない”巡回点検で報告書作成、見積もりに隠れたコストの見える化も “行かない”巡回点検で報告書作成、見積もりに隠れたコストの見える化も
 バルカーは「第37回 ものづくり ワールド[東京]」の構成展の1つ「設計・製造ソリューション展」において、新たな現場DXサービスを紹介した。
 あのフランジを締めたのは誰……プラントの定修や日常保全の工事管理をDX化 あのフランジを締めたのは誰……プラントの定修や日常保全の工事管理をDX化
 VALQUA(バルカー)は「第50回 プラントメンテナンスショー」において、プラントの施工管理を支援する「VALQUA SPM」を訴求した。
 AIを活用した設備異常検知システム、正常データのみで閾値まで提案 AIを活用した設備異常検知システム、正常データのみで閾値まで提案
 バルカーはRidge-iとともに回転機器の振動、超音波センシング全般に対応可能なAI技術を開発し、同技術を搭載した設備異常検知システム「VHERME(ベルム)」を共同開発した。
 AI活用で2時間以内に自動見積もり、フッ素樹脂加工品のデジタル調達サービス AI活用で2時間以内に自動見積もり、フッ素樹脂加工品のデジタル調達サービス
 バルカーはフッ素樹脂加工品のデジタル調達サービス「Quick Value」をリリースした。
 スマホ画面で設備の定期点検などを一元管理、CBMサービスも続々追加へ スマホ画面で設備の定期点検などを一元管理、CBMサービスも続々追加へ
 バルカーは2023年4月25日から設備点検プラットフォーム「MONiPLAT」の提供を開始した。
 “首をなが〜くして”業務DXロボが設備点検、半導体工場で年内にも実運用へ “首をなが〜くして”業務DXロボが設備点検、半導体工場で年内にも実運用へ
 ugo、日立プラントサービス、日立システムズは業務DXロボットを使った工場点検作業の自動化サービスの開発をスタートする。



